南仏プロヴァンスで猫さがし。

丸焼きイワシと花火で革命記念日をお祝い。

7月14日はフランス革命記念日。フランス中がお祭りムードに染まります。

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「革命記念日」と一言に言っても、フランス革命は、1789年7月14日に起こったバスティーユ襲撃を発端に、その後10年間も続いた、長い長いものでした。王は処刑され、宗教の力は弱まり、自由に子どもの名前をつけられるようになったのも、洗礼を受けた日ではなく生まれた日を誕生日として祝うようになったのも、革命後からだとか。

革命歌だったLa Marseillaise(ラ・マルセイエーズ)は国歌となり、革命中のスローガン「Liberté, Égalité, Fraternité(自由・平等・友愛)」が、今やフランス中のあらゆる公共の建物に刻まれているのを見ると、ずっとずっと前から続く長い歴史のなかでも、今のフランスは、この日を契機に生み出されたのだなあと感じ取れます。

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さて、私にとっては、フランスに来て3度目のこの日。
1年目は、港町カシ(Cassis)で、二年目は自宅のあるエクスで過ごしました。今年はどうしよう、マルセイユでは軍事パレードと花火大会があるし、マルセイユに行こうかな、でも、交通規制だらけで駐車場見つけるのも苦労するだろうし……と悩み、ネットで周辺のイベントをチェック。すると、近くの村でSardinade(イワシ祭り)が開催されるとの情報が! 花火も上がるというではありませんか。イワシと花火、最高やないか、ということで、これまた何もなさそうな村に行ってきました。村の名前は、グレアスク(Gréasque)。

何もなさそう、と思いきや、グレアスクはかつて炭鉱があった村でして、その跡地は博物館になって保存されています。そこはフランスの歴史建造物にも指定されていることを考えると、立派に観光名所を持つ村です。小高い丘の上に位置していて、サント・ヴィクトワール山の全景を見渡すことができるのも素晴らしいのです。

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炭鉱博物館への道しるべ。

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イワシ大会の会場に近づくと、お魚を焼く、いい〜香りが漂ってきます。夕暮れ時、こんな香りをかぐと、日本にいるかのようです。

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会場にはテーブルが並べられていて、みんな一列に座り、手を使ってイワシに食らいついています。中には、サラダやお惣菜を持ち込んでピクニックしている人たちの姿も。イワシ焼き担当のお兄さんによると、この祭りは毎年開催されていて、周辺の町からもたくさん人が集まるんだとか。イワシフレームの写真が撮れる、イワシフォトブースもありましたよ。

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丸焼きイワシ。うろこが少々残ります。ポテトやソーセージ、わたあめや甘いものも売られていました。

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イワシでお腹を満たした後は、指先に残る魚臭を武器に、猫さがし。この指があれば、どんな猫でもいちころだ、と思えるくらいイワシ臭が残る、指。レモン汁で手、洗ったんだけどな。

案の定、イワシの香りにつられて(?)出てきてくれました。まだ子どもサイズの猫が一匹。犬を散歩中のマダムが、この猫は毎晩ここにいることを教えてくれました。

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虫を追いかけ、遊ぶ猫。ほらほら、ちこう寄れ、おばちゃんの指、嗅いでごらん、と手を出すと、一目散に逃走。その先にいたのは、お母さん猫でしょうか、よく似たもう一匹の猫。

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そうこうしているうちに、花火の上がる時間です。なんとなく花火と言えば、周囲がだだっぴろい場所で、川とか海の近くで上がるイメージがあったのですが、ここはフランス、普通の道端のちょっとした広場で、大型花火をばんばん打ち上げます。

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ほぼ自分の真上で弾け飛び散る火花……迫力ありすぎて、「おおお」と、感嘆とは違う、恐怖混じりの声が思わずもれてしまいました。

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以上、南仏の田舎町から革命記念日のイワシと猫と花火をお届けしました!

Musée de la Mine/炭鉱博物館
Puits Hély d’Oissel
Montée de l’ancien traînage
13850 Gréasque
https://museeminegreasque.fr/en

中川史恩

都内在住、猫好きエディター。フランス生まれの保護猫ミャウと暮らす。好きな食べものは帆立の貝柱とチップス全般。苦手なものは直射日光。将来の夢は鶏と暮らすこと。@chez_miaou

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