デコラトリスによる洗練探しの旅

ローマにて、元祖「フィットチーネ・アルフレード」のリストランテへ

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 fendi private suitesで、ホテルの方に「近所にあるローマらしい美味しいお店は?」と聞いたところ、紹介されたリストランテは「il Vero Alfredo」

20世紀初頭にオープンした、「フィットチーネ・アルフレード」元祖の有名店だとのこと。

ローマといえば、有名なパスタは「カルボナーラ」「アマトリチャーナ」そして、チーズと黒胡椒たっぷりの「カーチョ・エ・ペペ」

「アルフレード」とは意外です。

というのも、このパスタは、アメリカのイタリアンレストランでは、「ミートボールパスタ」と並ぶ定番メニューの一つですが、正式なイタリアンメニューで見かけることは皆無と言っていいほどで、イタリア人でも知らない人が殆ど。

なせ、フィットチーネがローマらしいのでしょう?

そんなことを考えながら、レストランのある広場 ピアッツア・アウグストに着きました。

店内に入ると、壁一面に張られているセレブリティたちの写真に圧倒。さすが、老舗の風格を放っています。

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パスタ名の由来となった、創設者アルフレード一世(アルフレード・ディ・レーリオ氏)の写真も。

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さて、この夜に私が頂いたものですが、まず、プリモピアットには、フライ、マリネなど様々な調理のズッキーニ。

アーティチョークもメニューにありますが、残念ながらシーズンオフでした。

「これぞ、イタリアン!」といいたくなる、シンプルで素直なお料理。ローマ初日にふさわしい、求めていたお味です。

そして、大好きな花ズッキーニのフライに心躍ります!

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フィットチーネの名店とはいえ、やはりこちらも頂いておきたい。

「アマトリチャーナ」

パンチェッタ、トマトソース、そしてたっぷりのペコリーノチーズがかかった、ローマを代表するパスタです。期待通りのやさしい味わいに、ほっこり。

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主役のフィットチーネが運ばれてきました。

テーブル脇で、カメリエーレの方がパスタにチーズやバターを繰り返し丁寧に絡めてから、サーブしてくれます。

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素朴ですが、リッチなお味。麺はアルデンテというより、柔らかめ。

そういえば、アメリカで食べるフィットチーネもしっかり麺が茹でてあります。確かに、このほうが、クリーム系ソースと絡みがよいのでしょう。

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さて、この素朴な「フィットチーネ・アルフレード」が、なぜこのようにセレブリティに愛されるメニューになったのでしょう。

レストラン創業当初、設立者のアルフレード一世が食の細い妻のためにバターたっぷりのこのパスタを食べさせたところ、食欲が回復し健康になった為、レストランのメニューに加えました。

その後の1920年代、ハリウッド映画の大スター、メアリー・ピックフォード&ダグラス・フェアバンクスのカップルが新婚旅行で訪れたローマで、偶然口にしたこのメニューを気に入ったことで、たちまちアメリカで評判となり、多くのセレブリティたちを惹きつけるようになったからだといわれています。

マカロニやとろけるチーズが大好きなアメリカ人の心を捉えたこのパスタ、なるほど理解できます。

ところで、ローマ、ィットチーネ・アルフレードなどと検索すると、名前も住所も異なる全く別のお店がヒットします。

よくある元祖争い?お家騒動?などど不思議に思い、カメリエーレの方に聞いてみたところ、次のように話してくれました。

「創業者アルフレード一世は、1943年に、自身の店を、店名、メニュー、伝統レシピ、壁の写真や調度品など全てを残し、店のスタッフに売却しました。これは、Alfredo alla Scroraという店名で、現在も営業を続けています。

彼は息子のアルマンドとともに、1950年、現在の地となるピアッツァ・アウグスト・インペラトーレで 新たな店をオープン、これがまさにIl Vero Alfredo。

現在のオーナーは三代目で、アルフレードの孫(アルフレード三世)が経営。祖父が生み出したオリジナルのフェットゥチーネ・アルフレードの伝統を守り続け、今でも多くの方を魅了しているのですよ。」

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要するに、

20世紀初頭にローマで生まれた「フィットチーネ・アルフレード」の老舗は、創業の地と創業者ファミリーが経営するお店の二軒あり、いづれも、創業当初からのレシピを頑なに守り、国内外で愛される名店となっているようです。

その違いはいかに?気になります。

もし二軒共にお出かけになった方がいらしたら、是非お話をお伺いしたいものです!

次回、ローマに来たら、是非もう一軒の方にも出かけてみたいと思いながら、お店を後にしました。

Il vero alfredo

P.zza Augusto Imperatore,30
 
 
  
 
 
+39 06 687 8615
 
 
 

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ホテルまでの帰り道、11時を過ぎてもトレビの泉は大勢の観光客が。

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palazzo fendiは、昼間とは異なるしっとりとした夜の雰囲気の中、エレガントな威厳に満ちています。

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ターンダウンにセットされていたカモミールティを頂きながら、翌日の朝食メニューをチョイス。

以前は、朝食のレストランがオープンしていたようですが、現在は全てルームサービスです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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明日のお天気をチェックしながら、メニューカードに記入。

ジュースやコーヒー、エッグの調理法などの希望をチェックしますが、旅先では、よほどのことがない限り卵料理は頂きません。希少なブランド卵ならともかく、日本でも普通に食べられる卵料理をわざわざ旅先で頂かなくても。。。

プロシュートとフロマッジョの国イタリアに来たら、尚更のこと。余計なたんぱく質はとらず、その分ハムやチーズを存分に頂きたい!この地ならではのものを、出来るだけ摂取しなくては!と食への探求心旺盛の私は、その他備考欄に

「卵は結構ですので、チーズとハムをほんの少々」と記載して、眠りにつきました。

そして、食に寛容なイタリア人気質を、この旅でも実感することになるのです。

続きは次回へ。

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多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

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