
京都の老舗御香店「薫玉堂」と白檀の香り
この夏、関西での仕事帰りに、京都に立ち寄りました。
行きたい場所、買いたいものは無数にありますが、限られた時間の中、今回は、日本最古の御香所としても知られる「薫玉堂」さんへ。
私は白檀の香りが大好きで、ルームフレグランスやアロマオイル等日常的に使っています。
ステイホーム期間のリフレッシュは、香りの力に随分と助けられました。猛暑で集中力が落ち、仕事が一向にはかどらない時など、御香を焚いてみると、ほんのり漂う甘く清涼感ある香りに、頭がすっきりとしてきて、心なしか、暑さまでも抑えられるような気が。
実は、こちらのブログも、先日購入した御香を炊きながら書いています
(銀の香立ては、「京都 松栄堂」さんで購入したものですが、こちらも国宝級の名だたる神社仏閣を顧客に持つ300年の老舗。京都の御香文化は、なんて層厚く奥深いのでしょう!!)
さて、「薫玉堂」さんですが、創業は安土桃山時代で、420年の老舗。丸の内にも支店があり、時々覗いてはいますが、やはり、本店には他店とは違う空気感が。プライドや風格ある雰囲気、歴史の重みと静かな威圧感とでも言うのでしょうか。様々なものが幾重にも交差し、独特な世界感を作り出しています。
今回のお目当ては、白檀の御扇子。
白檀扇子には思い出があります。
子供の頃、夏のピアノのレッスンでは、ゆったりと椅子に腰かけた先生が、いつも私の横で、お扇子であおいでくださったのですが、それが白檀扇子との出会いで、懸命に譜面を目で追い鍵盤を叩きつつも、甘く風雅な香りに、何か特別な思いを抱くようになりました。
普段、あまり入らない奥の部屋で、母が着物を整理していた時、かすかに漂う雅な香りを嗅いだ時も同様で、思えば、これらが、香木というものを意識し始めた頃で、子供ながらにも、高貴で繊細な天然の香りは、別格の存在であることを本能的に感じとったのかもしれません。
それ以来、香りを選ぶときには、迷わずサンダルウッド系というほど、大好きになり愛用しています。
「白檀」の原産地は、インド、インドネシア、オーストラリアなどで、最高品質はインド産。現地政府の規制で、売り惜しみをしているようで、最近は、異常なほどの価格高騰が続き、高品質のものは入手困難になってきているのが現状ですが、透かし彫りも、正絹の飾り紐も、全て理想的なものに出会うことができました。
実は、白檀扇子は二度目の購入。20代の頃、香港で、お決まりのように汕頭のハンカチと一緒に、衝動買いをしたものの、いつの間にか壊れて修理を後回しにしているうちに、どこかに紛れてしまいました。
毎度の反省ですが、吟味しないものは、つい乱雑に扱ってしまいがち。今回購入したものは一生大切に使い続けたいと思います。
薫玉堂は、中川政七商店がコンサルティングに入っているからか、ロゴやパッケージが洗練されていて、インテリアにも合いそうなキャンドルや匂い袋など、サンダルウッド系を中心に多数購入。
好みがはっきりしていると、短時間でも迷わす買い物ができますね!
秋が近づいてきてはいますが、まだまだ暫く残暑が続きそう。
家の中に新しい香りを取り入れて、少しでも快適に過ごしたいと思っています。
薫玉堂さんは、京都駅からタクシーで10分もかからないので、新幹線の時間調整などにも是非。
どうぞ、皆様も、香りのある生活を!
☆薫玉堂
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