デコラトリスによる洗練探しの旅

リモージュ「ベルナルド」本社訪問前のランチ。

デコラトリスの多賀谷洋子です。

連日の猛暑に心身共に疲弊していますが、もうすぐ出かけるヴァカンスを心のよりどころにして過ごす毎日です。

さて、昨年末、念願のリモージュへ行くことができました。

リモージュは言わずと知れたフランスを代表する磁器、ポーセリンの街。

これまで、アビランド、JLコケ、そしてベルナルドなどリモージュブランドのスタイリングを、百貨店、見本市などの催事の他、撮影などで数えきれないほど手掛けており、もちろん、自宅で使う食器の大半もリモージュであるため、いつか行こうと思っていたので、コロナが落ち着いた昨年に、数年来の希望をようやく実現させることができたのです。

さて、リモージュへはパリから国鉄で3時間と少し。ファザードがこの上なく美しくエレガントなリモージュ・ヴェネディクタン駅に降り立ちます。アールデコのステンドグラスがとてもシック。

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ポンパドゥール夫人が庇護した「王立セーブル製陶所」が買い取り、一躍「白磁の街」として、その地位を確立した地にふさわしい威厳と品格を感じさせるこちらの駅は、フランスの名駅ランキングの常連で、シャネル№5のPVにも使われたことでも有名です。

スの友人にリモージュ行きを伝えると、こぞって駅を絶賛するので、事前リサーチでPVを拝見。ステンドグラスも、パルファンボトルの雰囲気にぴったりで、ほんの数分とはいえ、フランスらしいデカダンで官能的な映像に心奪われました。ご関心ある方は、是非検索してみてください!

今回リモージュ訪問は、以前、ブログでもご紹介した「ベルナルドジャパン」のアーサー・ベルナルド社長に、https://madamefigaro.jp/blog/yoko-tagaya/-12-4.html

アレンジ、アドヴァイスをいただき、通常では経験できない贅沢な時間を過ごすことができました。

さて、「ベルナルド」は、リモージュブランドの中で創設者ファミリーが経営する唯一の企業。

18世紀、ヨーロッパ各国で、膨大な国費を費やし躍起になって白磁製造を競った時代、白さのもととなる鉱物原料「カオリン」がリモージュで偶然発見されたことから、この地に窯を開設。最盛期の19世紀には100を超える窯があったとされていますが、時代の流れと共に大半が廃業、そんな中でも、ベルナルドだけがファミリー経営を貫いているのだそう。

さて、駅にはアーサー社長のお父様でマーケティングディレクター、

フレデリック・ベルナルド氏が迎えにきてくださり、従弟でオペレーションディレクターのシャルルさんと合流し、本社見学前のランチを。

こちらは、ベルナルド家と三代に渡りお付き合いしている一族の経営とのことで、12世紀の修道院を改装したという趣のあるインテイリアが素敵。ヴォールト天井がその長い歴史を物語っているようです。

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そして、リモージュといえば言わずとしれた「リムーザン種」

牛の街でもあるということ、ご存じですか。

日本では、恵比寿にカリスマ肉商「ユーゴ・デノワイエ」が上陸し(現在は閉店)、リムーザン種を取り扱うようになったことからその知名度を上げてきましたが、リモージュはフランス3大銘牛の産地でもあり、エントランスにはリムーザン牛の剥製も。

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Frédéric  Bernardaud氏 (向かって左) Charles  Bernardaud氏(右)

さて、パテから始まり、ステーキを。プレートはもちろんすべてベルナルドです。

今夜のディナーに備え、全てハーフポーションにしていただきましたが、さすが、日本に比べるとそれなりにボリューミー。

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弾力はしっかりありながらの、上質な赤身肉ならではの口溶け感が絶妙。

そして「ほんのひと切れでも」と、シュヴァリエでもある私に勧めていただいた、この地で有名な「サンネクテール」も。

フランスには、AOPと呼ばれる国が管理する伝統チーズが約50種類ほどあり、サンネクテールもその一つでもあるのですが、個性的な風味が強いからか、日本ではあまり流通せず、理想的な味わいのものに出会えることが少ないので、感激のお味!

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今まで食してきたサンネクテールとは全くの別物。無殺菌乳フェルミエ(農家製)ならではの濃厚で上質な風味が鼻腔を抜け、口いっぱいに広がる幸福感!

「地産地消」やはり、現地で食す味わい格別。

ワインとのマリアージュも素晴らしく、このまま余韻に浸っていたいほど絶品で、この日の夜に予約したミシュランレストランでのエピキュリアンなディナーにもより一層に高まるのでした。

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☆la table du couvent  https://www.chapellesaintmartin.com/en/our-collection.html

さあ、この後のスケジュールが押しているため大急ぎで本社へ向かいます。次回は、本社工場と財団見学のレポートです。ご期待下さい!

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多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

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