バービーの彼氏「ケン」の最新スタイルはお団子ヘア。
Culture 2017.06.28
全員「ケン」と「バービー」 COURTESY OF MATTEL CORPORATION
<時代とともに人気の容姿は変わり、好みのタイプは人それぞれ! 多様化する時代のニーズを汲んでマテル社が生み出した新たな「ケン」とは>
「バービー」人形のボーイフレンド「ケン」がこの度、装い新たに「お団子ヘア」で登場した。
製造元の米マテル社は先週、バービー人形「ファッショ二スタ」シリーズに15種類のケンを追加した。ABCニュースによれば、このうち5種類は今後数週間の間に発売される予定だという。
バービーの恋人という設定で長く親しまれてきたケン。時代の変遷とともに、度々容姿をアップデートさせてきたが、今回はボディタイプをスリム、幅広、オリジナルの3バージョンで展開、さらに目や肌の色、髪型まで豊富なバリエーションだ。なかでも目を引くのが、髪を結った「マンバン(Man Bun)」スタイル。
KENS WITH MAN BUNS, THIS IS NOT A DRILL pic.twitter.com/FoPRwk0ZKG
— Emily A. Cummins (@emilyacummins) 2017年6月20日
マンバンスタイルのケン。
数年前から欧米のセレブなどの間でブームがじわじわと広まっていたが、ケンの髪型に採用されたということで、男性のお団子ヘアはもはや定番と言ってもいいのかもしれない。
Introducing the clip-in man bun! Yay or nay ladies?#clipin #manban #yayornay #asos pic.twitter.com/bJyVIC4Xim
— FASHIONCHICK UK (@FashionchickUK) 2015年4月1日
この髪型は2015年にサッカー界で流行。デービッド・ベッカムやズラタン・イブラヒモビッチなどのスター選手はじめ、ギャレス・ベイル、マルティン・カセレスといった一流選手たちが取り入れたことで人気に火が付いた。インスタグラムに出現したハッシュタグ「#manbunsofdisneyland」で多くのマンバンを見ることができる。さらに、髪の毛を束ねる長さが足りない人には、ウィッグという選択肢もある。
Clip-on man buns aren't a joke, but we wish they were https://t.co/YrAm01oAXl
— 1 Million People (@1mpeople) 2015年11月10日
このウィッグで誰でもマンバンができる。
>>経営にもプラス。
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多様な「ケン」
マンバン以外にも、いろいろなタイプのケンがお披露目された。そもそも昨年発売されたファッショ二スタシリーズは、子供たちの多様性というコンセプトをバービーの世界に反映させたもの。今回加わったケンの肌の色は7種類、髪型は9種類と幅広く、身につけた洋服もスポーツ、トラッド、ビジネスまでそろっている。
バービーの誕生から2年後の1961年に登場した初代のケンは、フルネームを、ケン・カーソンといい、今年で56歳を迎える。ケンの情報を掲載する「ManBehindtheDoll.com」によると、これまでバスケットボール選手、国王、サッカー選手、写真家、旅人、フィギュアスケート選手、カウボーイなど様々な職を渡り歩いてきた。
WATCH: Mattel introduces a new line of diverse Ken dolls (INCLUDING MAN BUN KEN): https://t.co/rF9l5l71fz pic.twitter.com/MuM5fujcNo
— Good Morning America (@GMA) 2017年6月20日
今回発売されたケンたち。
ガールフレンドのバービーは昨年、大々的にモデルチェンジを果たしたが、ケンのスタイルチェンジは初めて。副社長兼取締役リサ・マックナイトは「バービーとケンのラインナップを増やすことで、若い世代にマッチした製品を模索している」という声明を出した。時代に合わせてケンをアップデートさせることは自然で、バービー人形で遊ぶ少女たちそれぞれのニーズに合わせるのが目的だ。
We proudly add three new body types to our line. Meet the new dolls. https://t.co/JDeqzI59nX #TheDollEvolves pic.twitter.com/IJVcVhfPkL
— Barbie (@Barbie) 2016年1月28日
昨年2月に発表されたバービーは33種類も。
カスタマイズ効果に期待
多様なケンの発売について、玩具レビューサイト「TTPM.com」の編集長、ジム・シルバーはロサンゼルス・タイムズ紙に「バービーと同様にマテル社に利益をもたらす」と指摘。バービーで大幅なラインナップを追加したように、顧客に親和性の高い製品を送り出す同社の方針は経営にプラスだと語った。
バービーとケンが発売から半世紀以上も人気を守り続けるその秘訣は、絶え間ないアップデートにある。多様性の尊重が叫ばれるこの時代に2人は、今後さらに別の顔を増やすだろう。
ニューズウィーク日本版より転載
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部