シャンパンをプラスチックカップで飲んだらダメな理由。
Culture 2018.01.15
プラスチックカップはカラフルなものも多く、彩りも華やかだが……。©living4media/amanaimages
プラカップはシャンパンの味を台無しに
お祝いの席で飲むことが多いシャンパンですが、「フルート」と呼ばれる背の高いグラスで飲むとおしゃれですよね。でもオフィスや自宅など、普段大人数で飲む機会がない場所でシャンパンを開ける時は、ついついプラスチックのカップを用意してしまう、なんてことはありませんか? 実はそれ、シャンパンの味を台無しにしてしまうそうです。
デイリーメールによると、アメリカのテキサス大学オースティン校のカイル・スプラット博士などのチームがシャンパンの泡について研究を行いました。その結果、シャンパンだけでなくどのスパークリング・ワインでも、容器によって味が変わることが分かりました。そしてやはり、フルート・グラスがいちばん味を引き出してくれるようです。
シャンパンなどのスパークリングワインをプラスチックのカップに入れた場合、泡がカップの内側にへばりつき、泡がどんどん大きくなっていくことが分かりました。泡は大きければ大きいほど、シャンパンの味が損なわれてしまうそうです。スプラット博士は同様に、発泡スチロール製の容器も避けるように、と話しています。
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≫シャンパンの奏でる音でも味の良し悪しが分かる?
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シャンパンの奏でる音でも味の良し悪しが分かる?
スプラット博士のチームは、この研究でもうひとつ大切なことを調べました。シャンパンの泡が弾けるパチパチという音で、「高級シャンパンか安物のスパークリングワインか」を聞き分けられるかもしれない、ということです。水中で音を拾える小さな水中聴音機を使いデータを集めており、この研究はまだ進行中とのこと。
スプラット博士がガーディアンに説明した話では、シャンパンが奏でる音は、泡の大きさで変わります。ベルの大きさで音の高低が変わるように、シャンパンの泡が細かければ細かいほど、高い音が出ます。スプラット博士が調べたところ、高価なシャンパンほど泡は細かく、たくさんできるそう。つまりこの理論でいくと、高価なシャンパンほど高い音をたくさん奏でることになりそうです。
ただスプラット博士によると、高価なシャンパンと安いスパークリングワインでは、泡の大きさの違いは直径で5%ほどしかありませんでした。なので、フルート・グラスに耳を寄せたところで、私たち人間の耳では音の違いを聞き分けられないかもしれません。
しかしユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのアンドレア・セラ教授は英紙ガーディアンに対し、シャンパンやスパークリング・ワインは、泡の大きさが味に大きく左右すると言います。そして口はとても敏感な器官で、「シャンパンを、固い舌触りとか柔らかいとか表現しますが、それはつまり、泡の大きさによるものなんです」と説明しています。
ということは、泡の大きさによる音の違いを聞き分けられなくても、舌触りの違いから、高級シャンパンかそうでないかが分かるかもしれません。そういう意味でも、泡を大きくしてしまうプラスチック製のコップは避けた方がよさそうですね。
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texte : SATOMI MATSUMARU