少女に起こる異変を通してタブーに挑む衝撃作。
Culture 2018.03.18
少女の身体や心を襲う異変は、成長への扉か、あるいは?
『RAW 少女のめざめ』
ひと昔前の日本の男子寮のような、新入生歓迎の荒っぽいしきたりや気風が、フランスの片田舎の獣医科大学生寮の空間に匂い立つことに、まずびっくり。入寮した16歳のベジタリアンのジュスティーヌは、新歓パーティで人生初の生肉に食あたりし、体質も気質も変わっちゃう。その劇的な変化を大人へのめざめの物語に重ねるだけで終わらないのが、この若い才媛の特異な点。肉をむさぼっては吐くように、ジュスティーヌは欲望の物語も成長の物語も、求めては拒む。逆に幼児退行も辞さない、少女のかたくなさ!
『RAW 少女のめざめ』
監督・脚本/ジュリア・デュクルノー
2016年、フランス・ベルギー映画 98分
配給/パルコ
TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開中
http://raw-movie.jp/
監督・脚本/ジュリア・デュクルノー
2016年、フランス・ベルギー映画 98分
配給/パルコ
TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開中
http://raw-movie.jp/
【関連記事】
カンヌで絶賛された『ジュピターズ・ムーン』
各テーマ曲にも注目を。アカデミー賞4冠『シェイプ・オブ・ウォーター』
*「フィガロジャポン」2018年3月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO