写真展『川内倫子/はじまりのひ』は、5月13日まで！

Culture 2018.05.07

見た瞬間にガツンと衝撃を与えるものもあれば、じんわりと心に響くものなど、表現の幅が広い写真の世界。写真家・川内倫子が切り取るワンシーンは、見る者の記憶の糸を静かに震えさせ、懐かしさや愛おしさ、切なさなどあらゆる感情を想起させます。そんな彼女の最新作は写真絵本『はじまりのひ』。その刊行を記念して、東京・恵比寿のPOSTにて展覧会『川内倫子/はじまりのひ』が5月13日(日)まで開催中です。

収録されている写真は、彼女が主に出産という大きな出来事を経験した前後に撮影されています。子どもを授かったことで生まれた気づきが、みずみずしい感性を通して写真と短いテキストで綴られます。写真家、そして母の視点はおのずと日々の暮らしのなかで出合う風景や小さな生き物たちへと向かいました。この絵本は、これから自らの世界を切り拓いて生きていく子どもたちへのエールのようでもあり、大人にとっても子を持つ親世代の共感を呼び、これから親になる世代にとっても心の奥底に流れる父性や母性を感じずにはいられないはず。写真集としても楽しめ、宝物のようにずっと大切にしたくなる一冊です。

そして展覧会では、より深く川内のみずみずしい感性に触れられます。写真絵本と展覧会『はじまりのひ』は、新しい一歩を踏み出そうとする背中をそっと押してくれる春の透き通った空のように、すべてのひとを前向きな気持ちにさせてくれることでしょう。