"ハリウッドの闇"を描くドラマ、その毒性にはまる。
Culture 2018.06.01
「アレンジメント ハリウッドに潜む闇」
連日のように世間を賑わせる、ハリウッドセレブによるゴシップの数々。その生々しい舞台裏を描き出す話題のTVシリーズ「アレンジメント ハリウッドに潜む闇」が、日本に上陸する。
6月4日(月)からHuluにて独占配信が始まる「アレンジメント ハリウッドに潜む闇」。© 2017 Universal Cable Productions, LLC. All rights reserved.
これは実話じゃないのか?
無名の女優だったメーガン(クリスティーナ・エヴァンジェリスタ)は、ハリウッドスターのカイル(ジョシュ・ヘンダーソン)にオーディションで見初められ、ある契約書を交わす。それはふたりの交際が結婚に至った場合には1000万ドルを支払うというもの。カイルに意図を説明され信じたメーガンだが、ふたりの関係の背後に、カイルが傾倒する自己啓発団体「ハイヤー・マインド」なる怪しい存在がちらつくようになる……。
――とここまで聞いただけでもあの大スター、トム・クルーズの名前を思い浮かべずにいられない。アメリカでは放送後、トムやサイエントロジーがモデルではないかとメディアが指摘し、製作総指揮と脚本を担当したジョナサン・エイブラハムズは「誰かをモデルにした作品ではない」と異例の発表をしたほど。それでも見れば見るほど、トムと元妻ケイティ・ホームズの関係を彷彿とさせるストーリーなのだ。
タイトルに「ハリウッドに潜む闇」と銘打っているように、業界におけるダークサイドを盛り込んでいるのもこのシリーズの見どころ。オーディション会場でのライバルからのマウンティング、自己啓発団体によるマインドコントロール、パパラッチの買収、ハーヴェイ・ワインスタイン似のセクハラプロデューサー……。華やかなスポットライトの裏で、これでもかと繰り広げられる非情なサバイバルゲームは、毒性に満ちている。しかし、裏話を知れば知るほど、それらの刺激はやがて快感に変わるかもしれない。
製作総指揮・脚本のエイブラハムズは、1960年代のニューヨークの広告業界を描いた「マッドメン」シリーズにも関わった才人。音楽はスマッシング・パンプキンズのジェームス・イハが担当している。
製作総指揮・脚本/ジョナサン・エイブラハムズ
出演/ジョシュ・ヘンダーソン、クリスティーン・エヴァンジェリスタ、レクサ・ドイグ、マイケル・ヴァルタンほか
Huluにて6 月 4 日(月)から独占配信スタート
texte: Eri Arimoto