デヴィッド・ボウイが浮世絵に? 待望の展覧会開催。
Culture 2018.06.20
当時の人気役者や、今で言うならばインフルエンサーにも例えられそうな評判の美人、ベストスポットなどを描いて大量生産していた浮世絵。その浮世絵のスタンスを現代に生かし、浮世絵職人の技術を伝承するという考えのもと、現代のスターを伝統木版画で表現する「UKIYO-E PROJECT」(浮世絵プロジェクト)。KISS、アイアン・メイデンに続くコラボレーション第3弾として、デヴィッド・ボウイが浮世絵になって登場! 待望の展覧会「デヴィッド・ボウイ 浮世絵展」が、6月23日(土)より、表参道のBOOKMARCにて開催される。
出火吐暴威変化競「鬼童丸」
ブライアン・ダフィ「アラジン・セイン」より。浮世絵の題材でしばしば用いられる鬼童丸は、鎌倉時代の説話集「古今著聞集」(ここんちょもんじゅう)や、曲亭馬琴の「四天王剿盗異録」(してんのうしょうとういろく)などに登場する妖術使い。この図は、大蛇を操る荒々しい鬼童丸と、繊細で神秘的な魅力を放つボウイのイメージを掛け合わせて表現している。絵師:石川真澄、彫師:佐藤奈美、摺師:中山誠人 ¥108,000(限定200点、サイズ480×340mm)
今回発表される作品は、世界的に著名なロンドン出身の写真家テリー・オニールによる「ダイアモンド・ドッグズ」プロモーション撮影時の写真(1974年)と、英国人の写真家ブライアン・ダフィが手がけたアルバム『アラジン・セイン』(1973年)のジャケット撮影時に撮った有名な写真をモチーフにしたもの。展覧会では、この2作品とともに、モチーフとなったデヴィッド・ボウイの写真も展示し、浮世絵ならではの分業(絵師・彫師・摺師)各職人が行う細やかな手仕事も深く理解できる内容になっている。作品は、BOOKMARCなどで購入も可能だ。ぜひ会場に足を運んで、精巧な職人技が集結した現代の浮世絵の魅力を味わってみてほしい。
出火吐暴威変化競「竹沢藤次」
テリー・オニール「ダイアモンド・ドッグズ」より。2代目竹沢藤次は、江戸時代、さまざまな演出やからくりで大人気の曲芸師で、エンターテイナーとして、ある意味イリュージョニストであったボウイとは親和性が高い人物。本図は「ダイアモンド・ドッグズ」に映る躍動的な犬を狐にみたて、九尾の狐の伝説を題材とした演目で、曲独楽(きょくごま)の芸を披露する藤次を演じるボウイを描いている。絵師:石川真澄、彫師:関岡裕介(三代目関岡扇令)、摺師:伊藤達哉 ¥108,000(限定200点、サイズ480×340mm)
写真家テリー・オニールによる、原案となった写真。オニール本人も「このアートの美しさに衝撃を受け、このプロジェクトの進化を楽しんで見ています。私の作品の解釈も本当に素晴らしいです」と感想を寄せている。
デヴィッド・ボウイ 浮世絵展
期間:2018年6月23日(土)~7月1日(日)
会場:BOOKMARC(東京都渋谷区神宮前4-26-14)
営)12:00~19:00
https://www.marcjacobs.jp/contents/bookmarc/sp/bookmarc_more.php
tel:03-5412-0351
texte:NATSUKO KADOKURA