京都の老舗帯匠とガラスの幻想的な美の競演。

Culture 2018.10.05

京都・室町を代表する帯匠の老舗、誉田屋源兵衛。十代目を引き継ぐ山口源兵衛は、熟練した職人の技をしても生涯に一本織れたらよいといわれる孔雀の羽を織り上げた帯や、螺鈿や宝石を施した帯、さらには糸や染めの素材作りそのものから取り組むなど、日本のみならず、世界のテキスタイル界にまで旋風を起こす「革新」の人。

この度、Ippodo New York開廊10周年と誉田屋の280周年を記念する展覧会にて、その山口源兵衛が「ともに火花を散らしたい」と願うのは、ヴェネツィア出身の世界的アーティスト、ラウラ・デ・サンティラーナだ。サンティラーナは、日本文化に深く傾倒し、とりわけ平面的な作品は、日本的表現を試みた真骨頂といえるもの。本展では、金箔や銀箔を使用した「Moon」や、チェコで創作した「Bamboo」のシリーズを発表する。一方、誉田屋源兵衛からは、これまで貯めてきた貴重な古箔を贅沢に使った渾身の帯が登場する。

会場では、門外不出だった誉田屋源兵衛の職人の工房で撮影した機織りのメーキングビデオやサンティラーナの工房での映像も流れるという。

光を通すガラスと、光を受けるテキスタイル。相反する素材でできた珠玉の作品たちが不思議な調和を奏でる本展。建礼門院・右京大夫の和歌「月をこそ ながめなれしか 星の夜の 深きあわれを こよひ 知りぬる」をベースに繰り広げられる、幻想とロマンに満ちた美の競演を堪能しに出かけませんか?

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誉田屋源兵衛「鍋島能衣松藤文」2005、ラウラ・デ・サンティラーナ「AMBER CUT」2009

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誉田屋源兵衛「古箔」2001、ラウラ・デ・サンティラーナ 左「Leaf (Bronze)」2007、右「AMBER CUT」2009

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誉田屋源兵衛「跳鯉」2011

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ラウラ・デ・サンティラーナ「UNTITLED (BAMBOO TREE)」2016

Ippodo New York 10周年記念企画
誉田屋源兵衛280周年特別記念展
「誉田屋源兵衛×ラウラ・デ・サンティラーナ『月をこそ…』」

【京都】
会期:10月6日(土)〜10月8日(月・祭)
会場:誉田屋源兵衛 本社
京都市中京区室町通三条下ル西側
開催時間:10月6-7日 11時〜19時、10月8日 11時〜18時

【東京】
会期:10月12日(金)〜10月20日(土)
会場:銀座一穂堂
東京都中央区銀座1−8−17 伊勢伊ビル3F
開廊時間:11時〜19時
休廊日:月

●問い合わせ先:
銀座一穂堂
tel:03-5159-0599


texte:NATSUKO KONAGAYA

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