些細な口論が生んだ、国を揺るがす法廷劇の結末は?

Culture 2018.10.09

小さな諍いがみるみる膨らむ、アクチュアルで切実な法廷劇。

『判決、ふたつの希望』

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ベイルートで働く排水管工事の現場監督ヤーセルは、アパートの住民トニーと諍いを起こす。温厚なヤーセルがパレスチナ難民の出自を侮辱され、トニーの腹を殴ったのだ。最初にヘイトな言葉を投げつけておいて裁判沙汰にするトニーは偏狭だが、公判を通して彼の苦難の過去も明るみに。簡単に白黒つくはずだった法廷劇はいまも癒えないレバノン内戦の生傷をさらし、国民的トピックへと肥大する。評決とは別に、ふたりが和解の道を探る小さな挿話におおいなる救いがある。ヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞。

『判決、ふたつの希望』
監督・共同脚本/ジアド・ドゥエイリ
2017年、レバノン・フランス映画 113分
配給/ロングライド
TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中
http://longride.jp/insult

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*「フィガロジャポン」2018年10月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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