ユージェニー王女が選んだのは、王室の歴史が薫るドレス。
Culture 2018.10.23
10月12日、ウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂でジャック・ブルックスバンクとの結婚式を挙げたユージェニー王女。イギリス人デザイナー、ピーター・ピロットとクリストファー・ドゥ・ヴォスが、王室の過去のウエディングドレスからインスピレーションを得て、ユージェニー王女の美しいドレスを作り上げた。
セント・ジョージ礼拝堂に到着したユージェニー王女。(ウィンザー、2018年10月12日)photo:Getty Images
ウィンザー城、正午。5カ月前のメーガン・マークルと同じように、ユージェニー王女がセント・ジョージ礼拝堂前に到着。ウィリアム王子とハリー王子のいとこの衣装が、詰めかけた観衆の前で初めて披露された。トレーンを引いた純白のウェディングドレスは、背中が広く開いて、胸元がV字にえぐれている。デザインを手がけたのはイギリス人デザイナー、ピーター・ピロットとクリストファー・ドゥ・ヴォスだ。
礼拝堂へと歩みを進めるユージェニー王女。(ウィンザー、2018年10月12日)photo:Getty Images
プリンセスラインのシンボリックなドレス。
入念な準備をして結婚式に臨んだユージェニー王女。王女が選んだのは、ウエストを絞り、スカート部分が裾に向けて広がっている、プリンセスラインのウェディングドレスだった。イギリス版『ヴォーグ』誌によると、今回のドレスのデザインを考案するにあたり、イギリス人デザイナーデュオは、王室メンバーの過去のウェディングドレスの資料を参照したという。
最終的にユージェニー王女のためにふたりが選んだのは、コルセット型のボディに、プリーツを寄せたスカートを合わせたデザイン。この長袖ドレスは、腰の部分に大きくドレープが寄せられており、そこからひだが流れるようにトレーンへとつながっている。12歳の時に脊髄の手術をして以来、その傷跡を堂々と見せてきたユージェニー王女の要望を取り入れて、こうしたデザインが実現した。ドレスにはまた、スコットランドの自然豊かな地方にあるカップルが愛するバルモラル城を象徴するアザミ、花嫁のルーツを物語るクローバー、イングランドの紋となっているバラ、そして夫妻の新居を表すツタといった、王女とジャック・ブルックスバンクにちなんだシンボルがあしらわれている。
エリザベス女王から借りたティアラ。
シニョンに結ったユージェニー王女の赤褐色の髪には、祖母のエリザベス女王から借り受けたグレヴィル・エメラルド・ココシュニック・ティアラが輝き、ティアラのエメラルドが王女の緑色の瞳を引き立たせていた。このティアラは、イギリスの貴族グレヴィル夫人のために、1919年にブシュロンによって制作され、その後王室に寄贈されたものだ。花嫁の耳には、未来の夫から贈られたダイヤモンドとエメラルドのイヤリングが揺れていた。王女の足元を飾ったのは、シャーロット オリンピアのオープントゥのパンプスだった。
ユージェニー王女とジャック・ブロックスバンクの結婚式。
texte:Marie-Caroline Bougère (madame.lefigaro.fr)