ウェールズ公チャールズ、笑いありロマンスありの皇太子人生70年。

Culture 2018.11.21

イギリス王位継承者として長らく知られているチャールズ皇太子が、11月14日、70歳の誕生日を迎えた。大切に育てられた幼年時代から穏やかな壮年期まで、波乱の思春期も含めて、皇太子の歩みを写真で振り返ってみよう。

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ウィンザー城の前でポーズをとるエリザベス2世とチャールズ皇太子(1969年6月20日)photo:Getty Images

ホッキョクグマに餌をやったり、ワシに顔を突かれそうになったり、紙飛行機を飛ばしたり、新型グーグル・グラスをかけてみたり……。世界中のあちこちを公式訪問してきたチャールズ皇太子。イギリス国民と訪問国の人々のハートをつかみ、ときには笑いを誘って30年以上が経つ。女王エリザベス2世とエディンバラ公フィリップ王配の長男であり、英国王位継承者である皇太子は、今年11月14日に70歳の誕生日を祝った。この機会に、面白いエピソード、ドラマティックなエピソードが満載の皇太子の人生を振り返ろう。

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父が望んだ“厳格な”教育。

1948年11月14日、ロンドンに生まれ、バッキンガム宮殿の庭で育ったウェールズ公チャールズ。ごく幼い頃から英国王位継承者としての心構えを教えられてきた。5歳から8歳まで、家庭教師キャサリン・ピーブルズの教育を受けた幼い王子は、ロンドンの「ヒル・ハウス」、バークシャーの「チーム・プレパラトリー・スクール」で初等教育を受ける。スコットランドのゴードンストン校の寮に入った王子だが、エリザベス2世が嫌悪するテレビドラマシリーズ「ザ・クラウン」のエピソードが描くように、高校時代はあまり楽しい日々ではなかったようだ。同じエピソードには、フィリップ王配が「厳格な」教育を施す必要性を説くシーンもある。1969年7月1日、チャールズは盛大な儀式によって、プリンス・オブ・ウェールズの称号を授与される。

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離婚、悲劇、そして再生。

1981年7月29日、未来のイギリス国王は若きダイアナ・フランセス・スペンサーと結婚する。ダイアナとの間に、ウィリアム(1982年生まれ)とハリー(1984年生まれ)のふたりの息子を授かる。しかしこの結婚は、皇太子とカミラ・パーカー・ボウルズとの不倫関係が1992年6月に雑誌『ピープル』で暴露されて以後、破綻へ向かう。夫婦は同年に結婚を解消。4年後の1997年8月31日、ダイアナ妃はパリで遭った交通事故で命を落とす。未来の王がこの悲劇から立ち直るまでには長い月日がかかった。皇太子がアンドリュー・パーカー・ボウルズの元妻カミラとウィンザーで結婚式を挙げたのは、2005年4月9日のことだった。

この結婚は、再び見出した幸福という喜ばしい雰囲気に包まれている。アメリカ版『ヴァニティ・フェア』が2018年12月に行った調査によれば、世間の人々の目には、未来の王はコーンウォール公爵夫人カミラと一緒になって以来、「よりシンプルで幸せになった」と映っているようだ。女王エリザベス2世戴冠から66年、チャールズ皇太子はいまだイギリス国王の王冠を頂いていない。その日が来るまで、皇太子はこれまで通り、環境問題への取り組みを続け、子どもたちや孫たちの成長を見守り続けることだろう。そして世界中を巡りながら、私たちを大爆笑させてくれるに違いない。チャールズ皇太子は言ってみればすでに王様なのだ。なにせ、イギリス流ユーモアの王様なのだから。

未来のイギリス国王、その70年の歩み。

texte:Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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