私たちがポルノを観る理由――彼女たちの告白。

Culture 2019.02.13

インターネットの普及で容易にアクセスできるようになったポルノグラフィー。楽しんでいるのは男性だけに限らない。24歳から44歳まで、ポルノを日常的に観る女性たちの証言を集めた。最初に観た時に感じたことや鑑賞方法、ポルノから得たものも含めて、彼女たちが赤裸々に語る。

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ポルノグラフィーは必ずしもマスターベーションの道具ではない。photo:iStock

「衝撃的でした」――初めてポルノグラフィーを観た時の感覚をできるだけ正確に伝えようと、ジュリエット(以下、証言者の名前はすべて仮名)は言葉を慎重に選びながら話し始めた。7年前のことだった。当時19歳、両親と一緒に住んでいた彼女はその日、ベッドに入るとポルノサイト「Youporn」を閲覧してみた。「自分でもどうかしていると思いました。『13歳の思春期の子どもみたい』って、笑いながら観始めたのです。してはいけないことをしているようなスリルもありました」

最後にクリックしたのは、素人が撮ったポルノだった。目が離せない。マスターべーションをした。「スイッチが入った」と彼女は言う。頭が朦朧として、身体中に快感が広がった。初めてマスターベーションでオーガズムに達した。現在26歳の彼女は、2週間に1度はポルノグラフィーを鑑賞している。他の「女性ポルノ鑑賞者」の多くについても、頻度は同じくらいのようだ。女性のポルノ鑑賞について正確な数字は少ないが、身近な人々にそれとなく聞いてみれば、決して特異な行為ではないことがわかる。

約2割の女性が、日常的にポルノを観る。

このテーマに関するフランスにおける最新の重要な研究は、2008年に発表されている。2004年から2006年にかけて実施された「フランスにおけるセクシャリティを巡る状況」と題する調査結果を分析したものだ。「古い研究ですが、状況はその後それほど変わっていません」と言うのは、パリ第8大学博士課程に在籍する研究者、リュディヴィーヌ・ドゥモルだ。これまでに一度はポルノを見たことがあると回答した女性は73%。20%がこの1年の間にポルノグラフィーを「よく、または時々」観ると答えている。

その後、フランス世論研究所とマーク・ドルセル(ポルノを放映する有料テレビチャンネル)が共同で実施した2012年の調査でもやはり、フランス女性の2人に1人がひとりでポルノを見たことがあり、18%が定期的に見るという結果が得られた。

リリは週に数回、ポルノグラフィーを観ている。「せっかちなのでポルノ映画は観ない。スピーディで効率のいいものを求めているの」と、25歳の彼女は話す。映像を検索する時は、ダウンロードに時間のかかるものや広告の入るもの、登録が必要なサイトなどは避ける。ひとりで観ることもあるし、パートナーと一緒に観ることもある。「閲覧するサイトは定期的に変えている。たまに長い期間、同じサイトにアクセスしていることもあるけど」

前述のジュリエットはというと、「付き合っている人がいる時はめったに観ませんが、観ることもあります。彼と会えない時はマスターベーションをする。ひとりの時間にチョコレートを楽しむようなものですね」

「若い世代ほどポルノを日常的に観るようになっている」と研究者のドゥモルは解説する。「インターネットの普及によって、若い女性たちにとってもアクセスが容易になりました。以前はこうしたコンテンツは男性のみが利用するものと考えられていましたが、いまはあらゆる面で男女差がなくなりつつあります」

ローティーンからポルノに触れられる世界に。

フランスのポルノ雑誌『ユニオン・マガジン』のエロティックサイト担当記者フロール・シェリーによると、「2005年以降に、次々とハブ(Pornhub、Redtube、Youpornといった、ポルノ動画を無料で配信するプラットフォーム)が登場して、状況が一変しました」

ポルノグラフィーとの最初の出会いも早い。リリは13歳だった。「好奇心からサイトに行ってみたの。深夜に放映されているエロティックなテレビ映画とは違うものを観てみたくなって。もっとストレートなものはないかなって」と彼女は振り返る。ホルモンの分泌が盛んな思春期だけに、大人のセックスがどういうものかに興味もあった。休憩時間の校庭でほのめかされるイメージを、実際の映像で観てみたかった。

「潮を吹く女性がいるって友達同士の間で話題になっていて、それがとても気になって動画を検索してみたの」と、27歳のラリタは当時のことを思い出す。現在の鑑賞頻度は月に3~4回ほどだ。

一方で、観るつもりはなかったのに、たまたまポルノを観てしまったという女性たちもいる。24歳のゾエは、「パーティの時に、酔っ払った男の子たちに観せられたのが、自分にとって最初のポルノ鑑賞だった」と回想する。27歳のマルゴーの場合は、「ハリー・ポッター」シリーズの海賊版をダウンロードしたつもりだったのに、観てみたら動物性愛ポルノ映像だった。

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無料動画サイトの増加が、ポルノへのアクセスを容易にした。photo:iStock

アマチュアならではの迫真性にはまる。

初めてポルノに触れて以降、年齢や性的な経験を重ねるにつれ、彼女たちの嗜好はもちろん変化していく。「最初はメインストリームの、どちらかと言うとクラシックな動画を閲覧していました。具体的に言うと、ほとんどがアメリカの、普通の異性愛、あるいは同性愛のセックスです」と語るのは、30歳のシドニーだ。「いまはもっと過激な方に行っています。自分の性生活がそうなので」

「10年前は、男女のセックスといったわりとオーソドックスなポルノを観ていましたが、いまはそういうものではまったく興奮しません」とマルゴーは言う。現在はBDSM系(ボンデージ、調教、サディズム、マゾヒズム)の、本人の言葉によれば「もう少しハードな」映像をよく観る。

ゾエは異性愛者だが、レズビアン・ポルノを楽しんでいる。「撮影手法が異性愛ポルノと違って、男性を喜ばせることより女性の身体に重点が置かれています」。また、「女性向け」「ロマンティック・セックス」といったジャンルの動画も好んで観ると言う。「あまりにハードだと、止めてしまいますが」

多くの女性が、迫真性という点でアマチュアポルノを評価している。「なにしろ息が合っていますよね。自分たちの身体をよく知っていますし。演出や整形した身体、鍛えすぎた身体は好きではありません」とシドニーは語る。ジュリエットはこう断言する。「ストーリー仕立てのものは嫌いです。生徒と教師とか、看護師とか婦人警官とか、設定がいかにも男のファンタスムでしょ? ちょっとばかばかしい」

マスターベーションのために観るのではない。

鑑賞の仕方は人それぞれだ。「面白そうなビデオを選んだら、まずは全部通して観て、それから興奮するシーンだけを再生して、動画を見ながらマスターベーションをする」と、アダルトサイト「Pornhub」をよく利用するラリタは語る。ジュリエットは、自慰をする時は自分を投影する必要があると明言する。そして、「音もとても重要です」と彼女は補足する。

ポルノグラフィーを興奮するための手段と考えるリリは、鑑賞後にたいていマスターベーションをする。「ポルノを観て想像力を刺激して、後は自分の思いのままにイメージを膨らませてマスターベーションする」と彼女は言う。

一方、映画や動画はマスターベーションのための道具ではないという人もいる。シドニーは動画を再生している最中や観終わってすぐに自慰をすることはない。自らをとても性的な人間と評する30歳の彼女は、セックスを一種のインスピレーション源と捉えている。「セックスは私にとってとても重要なものですし、私の人生の中でとても大きな位置を占めています。芸術でも文学でも、セックスが扱われているものに興味を引かれます。人が自分の身体を使ってしていることに対して、好奇心、驚き、興奮、そういったものを同時に感じているのだと思います」と彼女は説明する。

だから彼女は、身体的な欲求を満たすためにポルノを鑑賞するわけではない。「ポルノははけ口ではありません。私はそこに映っている人や、“パフォーマー”の動きを観ているのです。誰かが公開した映像ですから、じっくり見るのは当然です」と彼女は語る。

私たちには快感を享受する権利がある。

自分自身のポルノ鑑賞体験についてざっくばらんに話すジュリエット。彼女にとってポルノグラフィーとは、自分の欲望を認めること、すなわち、快感を享受する権利を自分に認めることに他ならない。もっともです、と研究者のドゥモルはうなずく。人によっては、ポルノを観ることが「ある種のフェミニズム意識の高まり」を意味するとドゥモルは言う。友人たち(女友達に限らず)との会話の中でポルノグラフィーを話題にしたり、意見やアドバイスを交換し合う人もいる。「ポルノについて話すことは、女性の解放にもなるような気がします」とゾエは語っている。

それもそのはず。ポルノを観ることを公言する女性がいる一方で、恥ずかしくて人前では話題にできないという女性も決して少なくないのだ。初めてポルノを観た時にどんなことを感じたかを問うと、彼女たちから実に示唆的な答えが返ってきた。「自分にはこういうものを見る権利がないと思っていたし、いいことなのかどうか疑問に思っていた」とリリは振り返る。「カトリックの教えに反しているという罪悪感と、興奮を同時に感じた」とゾエは言う。

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女性はセックスに関心がない?

「女性がポルノグラフィーを鑑賞することは、社会的にはあまり普通ではない行為とされています」とドゥモルは言う。同氏は研究の一環として、ポルノグラフィーを主題にしたブログに寄せられるコメントの分析をしている。女性による書き込みは稀だが、複数のタイプの女性がいると彼女は言う。「ポルノグラフィーを見ると堂々と認めている人。女子だから一度も見たことがないと言う人。それから、『女子だけどポルノグラフィーを見ている私って普通なの?』と疑問を抱いている人。その3つのタイプに分けられます」

ドゥモルは続けてこう語る。「実際のところ、こうしたタブーはポルノグラフィーそのものではなく、女性のセクシュアリティに関わる問題です。はっきり言うと、女性はセックスに関心を持っていないことになっており、だからポルノに興味を持つはずがないと考えられています。いわば性別による制限があるわけです。男性は自分を正当化する必要がありません。なぜなら男だからです。ポルノを観るのは普通のことだ、それが男のセクシャリティなのだから、というわけです」

女性のポルノ鑑賞に困惑する男たち。

「女性がポルノを鑑賞すると聞くと、萎縮する男性もいます。セックスに満足していないからだ、と思ってしまうのです」と、前述の『ユニオン・マガジン』のシェリー記者は言う。リリはいまでこそ、パートナーとざっくばらんにポルノの話をするが、以前は違った。「昔付き合っていた男性の中には、ポルノを見るのを裏切りと考える人もいた。男のエゴが傷つくようね」

44歳、既婚で3人の子どもを持つジョディは、夫に内緒でポルノ鑑賞をする。もちろん、その件で話をしようとしたことはあるが、夫は「恥じらい深くて控えめ」な男性だけに、話し合いにならなかった。「夫は私のことを変な目で見て、私が浮気をしたいと思っているのではないかと考えてしまった。嫌がるわけではないけれど、それでも『自分は君を満足させていない、何か問題がある』っていう感じがあった。仕方ないけれど、気が重くなる時はあるわ。彼も一緒に楽しんでくれるといいんだけど」と彼女は打ち明ける。

セクシャリティに与える確かな影響。

身近な人たちや社会の意見はどうあれ、彼女たちはポルノグラフィーが自分に何をもたらしてくれたかをしっかりと自覚している。ポルノグラフィーだけが唯一の教材というわけではないが、おかげで若い頃には知らなかった行為を発見することができたとリリは言う。「たとえばフェラチオにしても、ビデオで女優がするのを観て、方法を学んだの」。30歳のシドニーは、「レズビアン・ポルノもそうですが、自分の欲望を掻き立てるものが何かを知ることができました」と言う。

ポルノを観ながらマスターベーションをすると、自分が気持ちいいと感じる場所がどこかわかるようになると語る女性もいた。快感を得るコツが身に付き、どの「スイッチ」を押せばいいかがわかるようになると。「ポルノのおかげでコンプレックスがなくなって、自分に自信が持てるようになりました。男性との付き合い方もいい意味で変わったと思います。ベッドの上では、自分にも快感を享受する権利があるんだと思うようになりました」とゾエは明かす。

ポルノグラフィーがそれまで気づかなかった自分を発見するきっかけとなることもある。ジョディはポルノを観るようになったおかげで、40歳を過ぎて自分が潮を吹くことに気づいた。抑圧された欲望が、ポルノを観ることで初めて意識化されるということもある。マルゴーはきっぱりとした口調でこう言う。「10年前なら、SMなんてとんでもないと思ったでしょうね。自分にはすでにその傾向があったのに、認めなかったと思うわ」

texte:Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr)

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