【立田敦子のカンヌ映画祭2025 #3】ショパール・トロフィー、アンジェリーナ・ジョリーから祝福を受けた新進俳優たち。
Culture 2025.05.20
ショパール・トロフィー授賞式とディナーが、現地時間の5月16日、カンヌのカールトン・ビーチ・クラブで開催された。今年のゴッドマザーにはアンジェリーナ・ジョリーが就任し、若き才能たちの門出を祝福した。

2001年からカンヌ映画祭のオフィシャルパートナーで、最高賞であるパルムドールを始めとするトロフィーのデザインおよび制作を担っている老舗ジュエラー、ショパール。映画祭とともに開催しているショパール・トロフィーは、映画界の将来を担う若手俳優に贈られる名誉ある賞だ。これまでも、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・ボイエガ、フローレンス・ピューといった数々のスターたちが、この登竜門から大スターへの上り詰めていった。

今年は、フランスのマリー・コロンとイギリスのフィン・ベネットが受賞した。マリー・コロンは、ロドリゴ・ソロコ゚イェンの『理想郷』やTVシリーズなどで人気が急上昇している新星であり、ヴィクトル・ユゴーの小説の新しい映画化『レ・ミゼラブル』にもキャスティングされ、注目を集めている。Netflixのスパイドラマシリーズ『Black Doves』で脚光を浴びたフィン・ベネットはイギリスの若手俳優としてその実力を高く評価されており、今年公開予定のアレックス・ガーランド監督の戦争映画『Warfare』、『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚シリーズ『A Knight of the Seven Kingdoms』にも出演予定だ。
授賞式には、映画界の著名人やセレブリティが多数出席し、華やかな雰囲気に包まれた。ゴッドマザーであるアンジェリーナ・ジョリーは、受賞者たちに向けて「情熱と努力が未来を切り拓く」とエールを送り、観客から大きな拍手が沸き起こった。


海辺に面した特設会場で開催されたディナーでは、地元の食材を活かしたフランス料理が振る舞われ、ゲストたちは美食と会話を楽しんだ。審査員団やカンヌで上映された作品の監督や俳優も参加するこのディナーは、受賞した若き才能にとって、未来への第一歩を祝福する特別な時間となった。



映画ジャーナリスト 立田敦子
大学在学中に編集・ライターとして活動し、『フィガロジャポン』の他、『GQ JAPAN』『すばる』『キネマ旬報』など、さまざまなジャンルの媒体で活躍。セレブリティへのインタビュー取材も多く、その数は年間200人以上とか。カンヌ映画祭には毎年出席し、独自の視点でレポートを発信している。
text: Atsuko Tatsuta editing: Momoko Suzuki