【立田敦子のカンヌ映画祭2025 #6】10周年を迎えた「ウーマン・イン・モーション」アワード受賞は ニコール・キッドマン!
Culture 2025.05.22
2025年5月18日、第78回カンヌ国際映画祭の公式イベントとして開催されたケリング主催の「ウーマン・イン・モーション」授賞式は、映画界における女性の活躍を称える華やかな夜となった。今年はプログラム発足10周年という節目の年であり、女優・プロデューサーとして長年にわたり女性の地位向上に尽力してきたニコール・キッドマンが、同アワードを受賞した。
授賞式は、カンヌの歴史ある会場「Place de la Castre」にて開催され、ケリング会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏、カンヌ国際映画祭会長のイリス・ノブロック氏、同映画祭総代表のティエリー・フレモー氏らが登壇し、バレンシアガのカスタムメイドによる赤のレースドレスに身を包み、圧倒的な存在感を放つキッドマンにトロフィーを手渡しました。

映画界のアイコンとしての風格を感じさるニコールは、受賞スピーチでキッドマンは、「私たちの声には力があり、世界をより良くするために貢献できる。私たちはその期待に応える準備ができている」と力強く語り、女性たちの可能性を唱えた。
この夜、もう一人の受賞者として注目を集めたのが、ブラジル出身の映画監督マリアンナ・ブレナンド。「ウーマン・イン・モーション」エマージング・タレント・アワードを受賞し、次回作の制作支援として5万ユーロの助成金が授与された。ブレナンドは、2024年の同賞受賞者であるマレーシアの監督アマンダ・ネル・ユーによって推薦され、次世代の才能としてその名を刻んだ。

授賞式には、映画界やファッション界から多くの著名人が集結した。シャルロット・ゲンズブール、ダコタ・ジョンソン、イザベル・ユペール、ジュリアン・ムーア、サルマ・ハエック・ピノー、ジュリア・ガーナー、チャーリーXCX、ポール・メスカル、ギレルモ・デル・トロらが出席し、華やかに夜を彩った。この夜の締めくくりには、フランスのシンガーソングライター、クララ・ルチアーニが登場、代表曲の数々を披露した。

映画ジャーナリスト 立田敦子
大学在学中に編集・ライターとして活動し、『フィガロジャポン』の他、『GQ JAPAN』『すばる』『キネマ旬報』など、さまざまなジャンルの媒体で活躍。セレブリティへのインタビュー取材も多く、その数は年間200人以上とか。カンヌ映画祭には毎年出席し、独自の視点でレポートを発信している。
text: Atsuko Tatsuta editing: Momoko Suzuki