就任式でカマラ・ハリスが着た紫のコートの意味とは?

Culture 2021.01.22

1月20日、ワシントンで行われた、ジョー・バイデン大統領の就任式において、副大統領のカマラ・ハリスが選んだ装いは、紫。考え抜かれた色使いだった。

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アメリカ合衆国初の有色人種女性副大統領として宣誓するカマラ・ハリス(ワシントン、2021年1月20日)photo : Abaca

「この国は変われないなどと言わないでください」。1月20日水曜日、ジョー・バイデンは就任式でこう述べた。「私たちは、合衆国で初めての有色人種で女性の副大統領、カマラ・ハリスを迎えているのですから」と。ハリスは、合衆国最高裁判所の陪席判事であるソニア・ソトマイヨールを前に、夫のダグラス・エムホフが差し出す聖書に手を置いて宣誓した。

この特別な日、カマラ・ハリスが選んだのは、たくさんのシンボルに満ちた服装だ。足元はマノロ・ブラニクのBBパンプス。デヴィッド・ユーマンのバッジをつけた紫のコートは、クリストファー・ジョン・ロジャーズのクリエイションだ。彼は、2020年、CFDAアメリカ・ファッション協会の新進デザイナー賞を受賞した27歳、クイアで黒人のデザイナー。2016年にブランドを設立し、アメリカのモード界の新星として注目されている人物だ。彼のデザインしたルックは、カマラ・ハリスの強いメッセージのひとつ。ダイバーシティから生まれた才能を称賛している。

 

 

威厳、権限、フェミニズム

前日にワシントン入りしたジョー・バイデンが身につけた色でもあり、またセレモニーの際にヒラリー・クリントンも着用した紫は、強いシンボル性を持っている。紫は、伝統的にフェミニストたちの色なのだ。1970年代のフェミニズムのさまざまな流れが一致して選んだトーンであり、19世紀初頭以来の、婦人参政権運動家たちの色だ。彼女たちは服に紫色のリボンを留めつけてデモを行なった。
紫はまた、威厳と権限を象徴する色でもある。「何十年も前、日本では紫は天皇の色でした」と説明するのは、カラーデザイナーで「色の驚くべきパワー」の著作もあるジャン=ガブリエル・コス。「いまでも、年配の日本人がこの色を着ることは滅多にありません。紫はエリートの色、神秘的な権力を表しているのです」。
カマラ・ハリスの副大統領就任が象徴する意味に、ふさわしい選択だと言えそうだ。

texte : Chloé Friedmann 1 (madame.lefigaro.fr)

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