アランとナタリー・ドロン、写真で振り返る美しきカップル。

Culture 2021.01.28

アラン・ドロンが妻としたただ一人の女性。1964年に結婚した二人の情熱的な絆からは、俳優のアントニー・ドロンが生まれた。2021年1月21日木曜日、母の死を発表したのは息子のアントニー。ナタリー・ドロンはパリで、癌によって亡くなった。79歳だった。

ドロン夫妻。パリのアパルトマンにて、息子のアントニーと。（フランス・パリ、1964年）photo : Abaca

映画界はまた一人、スターを失った。ジャン＝ピエール・メルヴィル監督の映画『サムライ』（1967年）で、当時の夫アラン・ドロンと共演したことでつとに知られる女優のナタリー・ドロンが、79歳で亡くなった。「母は今朝11時、パリで、親しい人々に看取られて亡くなりました。進行の早い癌でした」と、1月21日木曜日、ナタリーとアラン・ドロンの息子であるアントニー・ドロンがAFPに発表した。

多くの人にとって、彼女は、『サムライ』（1967年製作、原作はゴアン・マクレオ「The Ronin」）で演じたアラン・ドロンのパートナー、ジェーンとして心に残っている。だが、1980年代の初めまで、彼女は30本ほどの映画に出演している。ジャン＝ピエール・メルヴィル映画『影の軍隊』（1969年）、クリスチャン・ジャックの『タンカー・ジャック』（1975年）、ロジェ・ヴァディムの『華麗な関係』（1976年）。その後彼女はカメラの後ろに場所を変え、『Ils apellent ça un accident』（1982年）や、トリート・ウィリアムズを主演にした『スウィート・ライズ』（1986年）を監督作品として世に送り出した。2006年には回想録を出版している。

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メディアに見つめられたロマンス

ナタリー・ドロンはスペイン系で、1941年8月1日、フランシーヌ・カノヴァスとして、フランス領時代のモロッコ、ウジダに生まれた。派遣部隊に徴兵されていた経歴を持つ最初の夫、ギ・バルテレミーと離婚した彼女は、1962年にパリに渡る。前夫との間には娘が一人いた。

パリのナイトクラブで偶然、人気急上昇中の若手俳優に出会ったのは、彼女が21歳の時。アラン・ドロンは、当時映画界の新星ロミー・シュナイダーと婚約していた。アランは緑の目を持つナタリーにすっかり魅了されてしまう。隠れた恋愛は続き、とうとうアランはロミーと別れ、1964年に身近な人だけを集めて結婚式を挙げることに。二人は即座にフランス号に乗船してハネムーンに出発し、ロサンゼルスに移り住む。１ヶ月後には息子のアントニーが誕生した。

ロミーの影

だが、ロミー・シュナイダーの影は、二人の恋愛に暗雲を投げかけた。「アランは彼女のことを決して話さなかったけれど、時折、その眼差しに悲しみがよぎることがあった」と随分後になってから、彼女は告白している。時を経ずして、ハリウッドの彼らの邸宅には嵐の予感が立ち込めるようになる。ナタリー・ドロンは、アランを勝ち取った束の間の勝利に居心地の悪さを覚えていた。「私がバカでした。彼は誠実だったのに、私は違った」と、2001年、彼女はティエリー・アルディッソンのテレビインタビューでこう告白している。

『サムライ』の撮影現場での二人の空気は最悪だった。1968年５月、労働組合CGTに対抗して、アランが俳優組合を立ち上げた時には、ナタリーの気持ちは限界まで来ていた。「もううんざりし始めていました。彼の考えに賛成できなかった」。1969年２月、二人は離婚。「別れた時、すべてを後に残してきました。息子と家政婦だけを連れて」（2018年、「パリ・マッチ」誌）。一方、アラン・ドロンの方は、ミレイユ・ダルクと人生をやり直している。それでも二人の絆は健在で、息子のアントニーは、2020年12月末に、インスタグラムに、仲良く並んだ両親の写真を投稿している。

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