若き恋を守る? フランスの「ロミオとジュリエット」条項とは

Culture 2021.03.30

去る3月15日、フランスの国民議会で、性的同意年齢に関する法律案が可決された。性暴力から未成年を保護するための法律だが、一方で、未成年と若き成人の間の恋は法的に守られることになった。

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3月15日の夜、フランスの国民議会で、性的同意年齢についての法律案が可決された。photo : Getty Images

3月15日の夜、国民議会は性的同意年齢を定める法律案を可決した。AFPの伝えるところによると、第一条では、「15歳未満の未成年に対して成人(編集部注:フランスでは18歳から成人)が行ったすべての性的挿入行為は、どんな性質のものであっても強姦。また、すべての口内性交も強姦である」と規定されている。

だがこの法律の目的は、未成年の性的暴力からの保護を強化すること。ゆえに、ティーンエージャーの恋愛を守るための例外が用意されることになった。

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5歳の年齢差

名づけて「ロミオとジュリエット」条項は、「成人と15歳未満の未成年の間の年齢差が、“少なくとも5歳”」離れていない限り、罰則は適用されないと定めている。この文章は、若い成人とティーンエージャーの、自由な両想いの恋愛を犯罪とみなすことを避けるためのものだ。

だが、この点に関しても激しい議論があった。「年上の子に誘惑された場合に、13歳の子どもが必要なだけの認識力を持っているとは考えられない」とLREM(共和国前進)のフローランス・プロヴァンディエ議員が発言。対して、司法大臣のエリック・デュポン=モレティは、このような例をあげて答えた。「14歳半の女の子と同意の上の関係を持ったからといって、18歳の男の子を裁判所に送るようなことはしたくない」。

合法的な「若者の恋」を犯罪にすることは「非常におかしい」と、法案提出者のアレクサンドラ・ルイーズ(LREM)は言う。「年齢差が少ない二人の恋愛を強姦と認定することになってしまう」と主張し、法文が「憲法評議会を通らないだろう」と述べた。とはいえ、この条項は、実際に強姦や暴力が行われた場合には適用されない。

この法律案は、今後さらに、元老院で投票が行われる。元老院はすでに一度、1月21日に性的同意年齢に関する法律案を可決しているが、この時は、性的同意を認めない年齢を13歳未満としていたため、この年限を低すぎると考える未成年保護団体を中心に、大きな反発を引き起こした。その後、特に政府からの修正に基づいて、委員会の議員たちによって法律案の再考、改定が行われている。この法律の施行は春になる予定だ。

texte : Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr) avec AFP

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