美しい男が想う、美しい女。 小山薫堂が惹かれた、圧倒的な感性をもつ日本画家とは?

Culture 2021.06.23

世代も職業も異なる6名の男性に、自身が考える美しい女性とその理由を訊いた。小山薫堂が惹かれたのは、美人画のような佇まいの日本画家、松井冬子。彼女は「四季の移ろいを知り、人を慮る人」でありながら、それに留まらない、言葉にしえない魅力があるのだという。

読めそうで読めない、圧倒的な感性。

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松井冬子|日本画家
絹本に岩絵具という古典的技法によって内省的な世界を描き、主に女性や動物、幽霊、花、内臓などのモチーフが得意。代表作には『世界中の子と友達になれる』や『浄相の持続』など。


大まかに言ってしまえば、文化に近いところにいる女性を美しく感じるのかなと思います。松井冬子さんで言えば、彼女自身が美人画のような佇まいでありながら、描かれる作品は怪しかったり、恐ろしかったり、描き切れないものを描こうとしていらっしゃるのだろうなと感じます。そのギャップがなんとも魅力的に映るということではないでしょうか。

「男子着物を羽織る会」という男が着物を着て集まる会をやっているのですが、そのゲストに来ていただいたことがあるんです。着物姿が素敵だということもありますが、どんな方なのか、会ってみたい。多くの男性にそう思わせる方だと思うんです。実際の松井さんは、四季の移ろいを知り、人を慮る。日本人ならではの人に寄り添う気持ちを持った素敵な方でした。それでも読めそうで読めない、手に負えない感じもあって、ああ、これが僕らを惹きつけてやまないものの正体なのかと感じました。

そういった手に負えない感じの女性に惹かれるのは、10代の頃からでした。同級生にものすごくお金持ちのお嬢さまがいたんですよ。僕らとは別世界に生きてきたのではないかというような。だからなのか、彼女と話していると、知らない世界に連れていかれるような、同時に自分の中にあるものが増幅していくような感覚を覚えました。言葉では説明できないような圧倒的な感性。それを持つ女性を僕は美しいと感じるのかもしれません。

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50代
小山薫堂|Kundo Koyama
放送作家

1964年生まれ。「料理の鉄人」「世界遺産」など多数のテレビ番組を手がけ、映画『おくりびと』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。「Stand Alone」(森麻季)や「ふるさと」(嵐)の作詞も手がける。くまモンの生みの親でもある。執筆活動のほか、地域・企業のアドバイザー、下鴨茶寮主人、大阪・関西万博ではエリアフォーカスプロデューサーを務める。

*「フィガロジャポン」2021年7月号より抜粋

interview & text: Yukiko Yaguchi

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