チャールズ皇太子、父の称号を弟に渡さない意向?
Culture 2021.07.16
エドワード王子は、4月に父フィリップ王配が逝去したのに伴い、エディンバラ公の称号を受け継ぐ予定だった。しかし、チャールズ皇太子が彼に称号を与えることに難色を示していると、7月11日の「タイムズ」紙が報じた。
ロイヤル・アスコットに出席したチャールズ皇太子とエドワード王子。(2021年6月15日)photo : Getty Images
「メグジット」に続いて、ロイヤルメンバー間で新たな緊張関係が生まれるかもしれない。
チャールズ皇太子が、弟のエドワード王子にエディンバラ公の称号を譲ることに難色を示していると、7月11日、「タイムズ」紙が報じた。エドワード王子は、父フィリップ王配が亡くなり、さらにチャールズ皇太子が王位を継いだ後、エディンバラ公の爵位を継承することになっていた。エドワード王子は、エリザベス女王の3人の息子の中で唯一、まだ公爵の称号を所有していない。
タイムズ紙によると、チャールズ皇太子はエディンバラ公爵の称号を弟に引き渡すつもりはないという。「現在、エディンバラ公となっているのは(チャールズ)皇太子であり、その称号をどうするかは彼次第です。この称号はエドワード王子には渡らないでしょう」と匿名の関係筋が同紙に語っている。また、別の情報筋も「チャールズ皇太子によると、公爵の爵位はウェセックス伯爵家には与えられない」と同紙に明かしている。
チャールズ皇太子は、今後エディンバラ公爵の爵位を使うべきかどうか側近に尋ねたという。それに対し側近は、現在チャールズ皇太子が所持している(*同じくスコットランドの公爵位である)ロスシー公の爵位を使い続けることを勧めたと言われている。
チャールズ皇太子が戴冠すれば、父の爵位を継承するかどうかは、彼の手に委ねられる。イギリスの王位継承者が、急いで選択を迫られることはないだろう。
ガーター・プリンシパル・キング・オブ・アームズ(エリザベス女王が任命した騎士団勲章)のデヴィッド・ホワイトは、ジョージ6世を例に挙げている。「ジョージ6世はヨーク公爵の称号を受け継ぎ、王になっても公爵位を保持しました。そしてこの爵位は、結婚後のアンドルー王子(編集部注:1986年、49年後に)に引き継がれたのです」とホワイトは語っている。
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フィリップ王配の“驚きの”リクエスト
しかし、1999年、ウィンザー家は、エディンバラ公の称号をエドワード王子に譲ると明言した。当時、エドワード王子はソフィー・リース=ジョーンズと結婚したばかりで、ウェセックス伯爵の称号を与えられていた。「エリザベス女王、フィリップ王配、チャールズ皇太子は、エディンバラ公国がいずれエドワード王子に与えられることに合意された」と王室は声明を出している。
エドワード王子の婚約を受け、フィリップ王配は自ら、エディンバラ公爵を受け継ぐよう末息子に頼んだとも言われている。「私たちはその場で少し呆然としてしまいました」とウェセックス伯爵夫人のソフィーは今年6月、「テレグラフ」に語っている。「彼は私たちに『いいね、ぜひ考えてみてほしい』とおっしゃいました」
しかし22年経ったいま、ウェセックス伯爵が、エディンバラ公爵の称号を受け継ぐことができるか、疑わしくなってきたようだ。
「数年前、父がそれを望んでいた時は、原則として、そうしたいと思っていた。しかし、もちろんそれは、プリンス・オブ・ウェールズが王位についた時にお決めになることなので、私たちはその決定を待つことにします(後略)」とエドワード王子は、6月にBBCのインタビューに答えている。
しかし、チャールズ皇太子のスポークスマンは「ピープル」紙で、この件について、次のようにコメントしている。「この手の話はすべて憶測であり、明確な決定はなされていない。このような問題についてコメントすることは不適切であり、女王に対して失礼なことだと思います(中略)」。この件については、バッキンガム宮殿もコメントを控えている。
text : Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)