プラダ財団発信の展覧会が遂に日本上陸! 身近なモノから生まれるビジュアルクリエイティブとは?

Culture 2021.07.28

ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した名建築、プラダ 青山店の5階にて、現在、プラダ財団の支援を得て企画された展覧会「Sturm & Drang Preview Serivices(シュトゥルム & ドラング プレビュー サービス)」を開催中。

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キュレーションはArmature Globaleのルイージ・アルベルト・チッピーニと、フレディ・フィッシュリ、ニールス・オルセン(gta エキシビションズ、ETH)が行った。©Tomoyuki Kusunose ©PRADA

本展は、プラダ財団とgta エキシビションズ(スイス連邦工科大学<ETH>チューリッヒ校建築学部にある学術的プラットフォーム)とのコラボレーションである「シュトゥルム & ドラング」プロジェクトの新しい方向性を示したもので、コンピュータ生成画像(CGI…Computer Generated Imagery)の実践、体験、環境を探究したインスタレーション。コンピュータスカルプチャの複雑さを取り上げ、現代の画像制作と、それが私たちの日常の認識に与える影響を調査することを目的にしている。

「シュトゥルム & ドラング プレビューサービス」では、CGIで使われているデジタルではないプロセスを直接見ていく。プロジェクト全体の分析の一環として、建築とアーバニズムのスタジオであるArmature Globaleが材料技術をもって、数々の環境を批判的に再構築。本展が探求するのは、最終的な作品であるデジタル画像ではなく、CGIが発明、テスト、および制作される実際の空間、または想像上の空間となる環境とセットであり、今回の展示はそれらの集大成となる。

展示には、あえて発泡スチロールのモックアップやDIY型モーション研究、および美術館の展示台などを用いることで、3D CAD(*1)やリアルタイムレンダリング(*2)、そして画像編集のような現代の画像作成・加工の方法より生じる「本物の表現」の疑問に挑む。内容を聞くだけだと難解なものに思えるかもしれないが、CGIで作り出されるのは、私たちがネット上で目にする「完成予想図」や「画像はイメージです」の世界で、すでに身近なものでもある、ということに気づかせてくれる。その「気づきのきっかけとなるもの」を再現し、象徴的な建築物でもあるプラダ 青山店の中に出現させ、デジタルテクノロジーと実際の関わりを表現しているのだ。

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サイバーパンクの傑作と言われる小説『ニューロマンサー』(1984年)に描かれた、主人公がサイバースペースにつながる架空の環境、千葉シティの簡易ホテルをイメージした部屋も。©Tomoyuki Kusunose ©PRADA

このユニークな試みは、2年間のプログラム「シュトゥルム & ドラング」の一部。このプログラムの第1段階は大学のオンライン講義という形式を取り、ETHで美術史と建築史を学ぶ学生と研究員を対象に今年2月から6月まで「シュトゥルム & ドラング スタジオ」として開催された。今回展示を予定するテーマの中には、9月9日から来年1月22日までミラノで開催される予定のOsservatorio Fondazione Pradaの展覧会でさらに広げていくものもある。その一部を東京で体験できるのは貴重な機会。11月26日まで開催しているので、ぜひチェックして。

*1…3D Computer Aided Designの略。紙の図面ではなく、コンピュータ上で3次元に拡張し、設計やデザインを行うこと全般を指す。
*2…コンピュータグラフィックス分野の技術のひとつで、3D画像などを瞬時に解析・生成することができる。

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本展では、ソフトウェアテクノロジーハウスやクリエイティブオフィスの環境、社会的な構成要素を理解するために欠かせない基礎的な資料として、カットされた資材の現物と高解像度の画像を対比する展示法にも注目。©Tomoyuki Kusunose ©PRADA

「Sturm & Drang Preview Services」
会期:~11/26(金)
会場:プラダ 青山店 5階
入場無料
*下記サイトより要予約。
https://www.prada.com/jp/ja/pradasphere/special-projects/2021/sturm-and-drang-prada-aoyama.html
●問い合わせ先:
プラダ クライアントサービス
0120-45-1913(フリーダイヤル)

text: Natsuko Kadokura

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