美しい投資術 Vol.3 投資信託で未来の資産をつくる!「つみたてNISA」を活用しよう。

Culture 2021.08.12

フィガロジャポン2021年7月から新連載「美しい投資術」をスタートした、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。今回は長期で積み立てる投資信託「つみたてNISA」の活用について話してくれました。

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つみたてNISAを活用して、スマートな資産運用を。photo: Natali_Mis_iStock

フランスは社会保険制度が手厚く年金も恵まれていますが、日本に生活拠点を移してから私も老後資金が気になるようになりました。公的年金を補うiDeCo(個人型確定拠出年金)は、税制優遇などのメリットはあるけれど、60歳まで引き出せないのが私にとっては不安要素。

将来のためには、いつでも現金化できる「つみたてNISA」(下記コラム参照)で貯金代わりに長期で積み立てる「投資信託(ファンド)」を活用するのが第一歩。投資信託は、個人などの投資家から預かったお金をプロが運用して利益を投資家に還元する金融商品です。少額でも始められ、プロに任せられるから、個人では投資しにくい国や地域にも投資が可能。つみたてNISAでは金融庁が厳選した投資信託から選べるので、安心感もありますね。

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まずは手堅いインデックスファンドから。

投資信託には、市場平均に連動して運用され、比較的リスクが低い「インデックスファンド」と、金融会社の独自の銘柄選択で市場平均を上回ることを目指した「アクティブファンド」があります。

私の場合、インデックスファンドは長期にわたる安定的な経済成長とイノベーションを期待して、先進国でもアメリカの主要企業500社の株価指数「S&P500」に連動する商品への投資が基本。それに加えて新興国では、人口が多く将来性を感じるインドに注目していますが、政情が不安定な国が含まれる商品は選びません。実家のあるフランス、いま暮らす日本はともに大好きな国で、経済的な安定感はあるのですが、今後の成長を期待できなくて……どちらも伝統を大切にする国民性ゆえ、ビジネスのイノベーションが生まれにくい印象なんですよね。

似たような投資信託が多いのでどれにするか迷ったら、運用資産と運用成績のチェックを。資産が多く、数年単位でしっかり利益を出しているほうが安心です。

「手堅い」インデックスに対して、アクティブは「攻め」の運用。手数料も高く、値動きが大きいため、インデックス以上に情報収集をしたうえで、選択する必要があります。それについてはまた次回。

ふたつのNISA の違い。

NISAは、投資で得られた利益や配当金にかかる約20%の税金が非課税になる制度。通常の証券口座よりお得に運用できる。20歳以上が利用できるNISAは2種類。「一般NISA」は投資額の上限は毎年120万円で、対象は株式と投資信託など。非課税期間は5年間。一方、「つみたてNISA」は投資額の上限は毎年40万円で、対象は投資信託のみ。非課税期間は20年間。途中で引き出しも可能だ。将来の資金づくりは、毎月一定額を長期に分散投資できる「つみたてNISA」から始めよう。
参考:金融庁NISA特設ウェブサイト
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廣田里那 LINA HIROTA
個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。資産運用の相談はHPから

*「フィガロジャポン」2021年9月号より抜粋

text: Yoko Sueyosh

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