美学を持つ人たちの選ぶ、美しい本。 映画監督・西川美和にとっての「美しい本」とは?

Culture 2021.08.18

美意識を育んでくれる一方、選ぶ段階からセンスが問われる映画・本・音楽。多方面で活躍する憧れの彼女たちが独自の観点で選んだ、主人公の生き方や洗練の描写など、至極の美を体現する作品を紹介。

映画監督の西川美和さんが選んだ1冊は、山田太一著『昭和を生きてきた』。西川さんがこの本に感じる美しさとは?


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一流の脚本家が綴る、散文の巧さ。これぞエッセイの極致。

『昭和を生きて来た』
山田太一エッセイ・コレクション

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山田太一著 河出書房新社刊 ¥858

「脚本家は普段、難解な語彙や悦に入った表現がよしとされない世界で筆を取っていますが、脚本を離れて心の中に巡らせている気持ちや思い出を書かせると、文章がぐんとのびのびするように思います。それでいて、ストイックな言葉選びの技が読む者に心地よく、そして、決して現場には飲み込まれぬ思索と孤独の跡がある。山田太一さんのこのエッセイ集は、昭和の終わり頃までの文章がまとめられたものですが、新しい装丁やきれいな印字で刷り直されると、まったく古く感じられない。私の文庫本にはたくさん付箋が貼られ、何色もの線が引かれています。初めて読んだ時の感動の印が、こんな様子で刻まれた本が、私にとっての“美しい本”です」

西川美和映画監督
MIWA NISHIKAWA
監督作の『すばらしき世界』が、シカゴ国際映画祭で観客賞とベストパフォーマンス賞の2冠に輝いた。

※『フィガロジャポン』2021年7月号より抜粋

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