学ぶ、働く、メイクする...アフガニスタンの女性が失おうとしている権利。

Culture 2021.08.20

追われてから20年。タリバンがアフガニスタンに返り咲き、政権を握った。女性たちの権利について、いくつかは認めるという意向を示している。だが、アフガン女性たちが世間から隔絶された生活に回帰する懸念を示す兆候は多い。それは、一人で外出し、学び、働き、治療を受けることが禁止された暮らしだ。

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美容室で化粧をする女性。当たり前の風景が今後奪い去られるかもしれない。(アフガニスタン、2021年4月25日) photo : AP/アフロ

タリバンを信じるべきだろうか? 10日ほどでアフガニスタンを攻略した速攻攻撃で権力を掌握して以来、タリバンはいい印象を与えようと努め、シャリーア (イスラム法)の許す範囲内で女性の権利を尊重すると約束した。

1996年から2001年の間に権力の座にあったタリバンは、姦通罪に問われた女性たちを石打ちにし、女性たちに学ぶこと、働くこと、男性保護者の付き添いなしの外出を禁止していた。

国際社会に認められるために、我々は変わった、と記者会見の間中、強調し続けたタリバン。彼らが設立を望むイスラム首長国は、「包括的政府」であり、女性たちも参加する。女性たちはコーランが認めた権利を享受し、「健康部門など、女性たちが必要とされるセクター」で働くことができるというが不透明感は拭えない。学校についても同様だ。少女たちは学ぶことができるのだろうか? もしできるとしたら、一体何歳まで?

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広報と、暴力と

8月15日に首都カブールが陥落して以来、タリバンは女性たちに仕事に行くよう呼びかけ、恐れることはない、と強調している。約束をするかのように、テレビ局TOLONewsのスタジオで、女性ジャーナリスト、ベヘスタ・アルグハンドの質問にも答えた。20年前には考えられなかった光景だ。

だが、その数時間後、別の女性プレゼンテーターは、他数人の女性同僚と同様、休職状態に置かれたと述べている。

 

 

タリバンは、何カ月もの間、最近の彼らの発言と矛盾する虐待を進めてきた。女性たちは脅迫され、殺され、誘拐されてきた。タリバンの進撃を阻止することを目的とした市民兵の創始者となった、数少ない女性知事サリマ・マザリのように。彼女は数日前に捕まったという。

あるいは、カブールから50キロ町マイダン・シャールの女性市長、ザリファ・ガファリ。彼女は、何年も前から脅迫の対象となり、父親を首都で殺害されている。「ここに座って、彼らがやってくるのを待ちます」と彼女は英国メディアinewsに語っている。

女子校を狙ったテロもあった。去る5月には、カブールの学校へのテロで85人の少女が命を落とした。最近では、ヘラットの町で、女性活動家と女性ジャーナリストの家にタリバンが印をつけた。アフガン人のうち、5月以降に家を捨てて逃亡した人の8割は女性と子どもたちだ。何百万人もの女性たちが、今日、自分たちの命の危険、そして、この20年間の進歩が失われるのではないかという恐れを抱いている。

8月17日には、カブールで、何人かの女性たちがカラシニコフをも恐れず街に繰り出し、獲得した権利の継続を要求した。彼女たちが失おうとしているものはあまりにも多いのだ。

 

 

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学校へ行く権利、働く権利

2001年にタリバン政権が崩壊した時、少女たちには学校への道が開かれた。実際にアフガニスタンの女性の就学率がどれほどかを知るのは難しいが、NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの報告によれば、最も楽観的な統計でも、50%以上にはならないという。

また、大学に通うことのできた女性たちもいる。去る5月には、アフガニスタン第3の都市ヘラットの大学では学生の50%近くを女性が占めていた。「今日のアフガニスタンは過去とは違います。いま、女性たちは自分の夢を実現できる」とアフガニスタンのテレビ局TOLONewsで、ある女子学生は喜びを語っていた。「女性たちはこのチャンスを失ってはならないし、数十年前の状態に後戻りしてはなりません」

だが、8月17日、武装タリバンが大学キャンパスで、女子学生と女性教師に立ち入りを禁じたという複数の証言が寄せられた。カブール大学では、女子学生は、男性の付き添いなしに宿舎の部屋を出る権利を拒否されている。

働く女性も同様だ。多くの女性たちが職を得、さらには権力のあるポストにも進出していた。警察官、軍人、判事、ジャーナリスト、議員(女性議員は27%を占める)、経営者、教師、医師、アスリート、市長、知事......。

カブールを支配したタリバンは、彼女たちは仕事を続ける、と断言しているが、女性たちがオフィスを追われ、近しい男性を代わりに仕事によこすように言われているという証言が寄せられている。

ここ数カ月、政治に携わる女性たち、活動家やジャーナリストは脅迫や殺人の標的となってきた。多くは自分の名前がリストに載せられていると断言し、タリバンたちが戸別訪問をして判事や活動家、ジャーナリストやインフルエンサーを追い詰めようとしているという証言もある。

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一人で外出する、踊る、メイクする...

1996年から2001年の旧タリバン政権下では、熱狂的なイスラミストは女性たちにブルカの着用を課し、外出の際には男性保護者(夫や父親、兄弟など)の付き添いを義務付けた。禁則に逆らえば、重い罰則に身をさらすことになった。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、タリバンに奪回された地方では、2019年にすでに、パトロールによって1990年代に行われていた「美徳促進と悪徳予防」警察にインスパイアされた、道徳的コントロールが行われていたという。

ニューヨーク・タイムズ紙も、アフガニスタン第4の都市マザリシャリフで、買い物のために一人で外出した女性たちが最近、家に追い返されていると報告している。

バルフ地方では、8月初め、22歳の女性がジーンズを履いて一人で外出したところ、銃弾を受けて死亡したと、同地方の複数のメディアが伝えている。

フランスとアフガニスタンの国籍を持つジャーナリスト、モルタザ・ベブディはツイッターで、女性たちに外に出かけるのを怖がらないように.....ただし、化粧をしないことが条件だ、というムッラーの音声メッセージを聞いたと報告している。手や足や唇に化粧をしていた場合は、「全部切る」と。

 

 

メイクばかりか、軽い気持ちになるというシンプルな権利さえ危機に瀕している。旧タリバン政権下では、ゲーム、音楽ばかりか、アフガニスタンの人が好む凧揚げさえ禁止されていた。

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10年のびた平均寿命

世界銀行によると、2000年から2018年の間に、アフガン女性の平均寿命は57歳から66歳に伸びたという。それは、健康センターと最新の病院施設のオープンによって、治療へのアクセスが広がったことの成果だ。世界保健機構によれば、2002年から2017年の間に、10万の新生児誕生のうち、出産で死亡した女性の数は1300から638まで減少した。

これからの年月は、この問題にも不透明だ。タリバンは女性医師や女性看護師に職場に戻るようにと呼びかけている。しかし、彼らが制圧するいくつもの地方、例えばカンダハールのような大都市でも、女性のためのクリニックは閉鎖されたようだ。

イスラミストが女性たちが医療を受けることを許したとしても、資金が足りないおそれがある。アフガン政府の予算の大半は国際コミュニティの寄付に頼っており、それは減少し続けているのだ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが5月に発行した報告書にもあるように、寄付がカットされれば最初の犠牲者は女性たちだ。「アフガニスタンの健康システムへの国際融資は生死の問題に関わるものであり、予算をカットするたびに、女性たちが死ぬことになる」とヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利部門のディレクターの一人、ヘザー・バールが強調している。

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彼女たちを守る法律

2009年、アフガニスタンは、女性への暴力撤廃のための法律を可決した。それはことに、強姦、強制結婚、女性の通学や就労を阻むことを罰するものだ。あまり適用されなかったとはいえ、この法律によって、警察と裁判所に専門チームが生まれた。

だが、今後、イスラム首長国アフガニスタンにおいて存続する可能性は少ない。タリバンが政権にあった頃、女性たちは、特に姦淫を理由にした石打ちを筆頭に、公の場で鞭打ちや処刑を受けていた。1999年、暴力的な夫を殺した罪で、カブールのスタジアムで銃殺刑にされた女性の姿を、どうして忘れることができるだろう?

タリバンの復権によって、こうした陰惨な見世物の復活を恐れる人は多い。

text : Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr)

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