チャールズ皇太子「地球は危機に瀕している」と警鐘。

Culture 2021.08.23

チャールズ皇太子が地球温暖化対策が急務であると警告する記事を発表した。政治家のような堅実さ。いままでになく、王座に就く準備ができている、といった印象だ。

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地球温暖化を止めるための活動を説明し、世界のリーダーたちが関与する必要性を強調する記事を発表したチャールズ皇太子。(スタッフォード、2021年7月28日)photo : Getty Images

「地球は危機に瀕している」。その言葉は直球だ。チャールズ皇太子は、8月20日のウェブサイト「デイリー・メール」に、気候変動に警鐘を鳴らす記事を寄せた。

皇太子は、8月初めからギリシャとイタリアで起こっている熱波による火災について、「悪夢のような」という強い言葉をためらうことなく使っている。また、2017年に2つのハリケーンに見舞われたカリブ海の「憂鬱な記憶」をはじめ、世界各地の自然災害の例を挙げた。

エリザベス女王の後継者は、意図的に不安をあおることで、多くの人々に危機を訴える。「このとてつもない脅威に早急に立ち向かわなければ、私たち、そして私たちの世界は終わってしまう」と。

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長年の環境保護活動

また、「グリーンウォッシングだ」という批判をかわすかのように、環境問題は自分が以前から関心を持っていたテーマであることを強調し、環境危機を指摘する。

「もう何年も前のことですが、私は、科学者の言うことを真剣に受け止めないことで、未来の世代や私たちが依存している自然界に多大なリスクを与える、ということを警告しようとした」と、英国の王位継承者は書いている。

各国への呼びかけ

その1週間前に発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書の予測に基づき、チャールズ皇太子は各国に協力を呼びかけた。彼は、第26回気候変動枠組条約協定締約国会議(COP26)が間近に迫っていることを意識して、その方向性を示唆したいとさえ考えているようだ。「11月にグラスゴーで開催されるCOP26(気候変動に関する国際会議)に向けて、気候変動は今起きている、という警鐘を鳴らすべきだ」。この会議はチャールズ皇太子自身がずっと前から準備してきたものだったようだ。

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テラカルタ(地球憲章)

チャールズ皇太子は記事の中で、この1年半を「世界のリーディングカンパニーをまとめることに費やした」と説明している。目的は、「有志連合」を作ること。「私は、COP26を前に、そしてCOP26以降に向けて、環境に優しい未来を実現していくために、どうすれば継続的な障壁を克服することができるのか、挑戦してもらうことにした」と説明している。その結果、「2030年までに世界経済の持続可能性を高めるための、民間企業に向けた憲章」である「テラカルタ(地球憲章)」が生まれた。

しかし、チャールズ皇太子は、各国の首脳の関与が必要だと主張する。「世界のリーダーたちは、民間企業と密接に協力することにより、変化をもたらす力を持っている。手遅れになる前に、COP26がその機会を与えてくれる」と繰り返している。

COP2への準備も万端なチャールズ皇太子、と同様に、戴冠の準備もこれまで以上だといえそうだ。

text : Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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