90年代のトップモデルたちが、いまも輝くその理由。
Culture 2021.10.05
9月26日、ともに47歳のケイト・モスとアンバー・ヴァレッタ、そして51歳のナオミ・キャンベルが、ヴェルサーチェとフェンディのコラボファッションショー、フェンダーチェでセンセーションを巻き起こした。1990年代に活躍したモデルたちはいまもファッション業界で活躍し、美の基準を覆すことに成功している。
2017年9月23日、カーラ・ブルーニ、クラウディア・シファー、ナオミ・キャンベル、シンディ・クロフォード、ヘレナ・クリステンセンがヴェルサーチェのショーに登場。photo : Imaxtree
彼女たち自身が、偉大なスーパーモデルの時代そのものである。彼女たちは、自身の運命を切り開く彫刻のような女性というコンセプトを生み出し、雑誌の表紙、そしてキャットウォークを堂々と飾った。
多くの世代に夢を与えてきたスター中のスター。10年、また10年と経ってもまだ、モデル界は彼女たちに頼らざるをえない。キャットウォークでは若さは重要だが、30代になったら引退必須というわけではないようだ。今日とは全く違う基準の美を体現してきた者は、過ぎ去った月日を受け止め自分のものにする。さらにクラウディア・シファーやナオミ・キャンベル、そしてその仲間たちは、キャットウォーク上で(少しばかり)勝ち誇った若者に対して、この積み重ねを最高の武器にしている。
コレクションの生き字引でもある彼女たちは、モードのクリエイターたちにたびたび招待され、これが時に話題作りにもなる。2017年9月23日に行われたドナテラ・ヴェルサーチェの2018年春夏コレクションでは、カーラ・ブルーニ=サルコジ、クラウディア・シファー、ナオミ・キャンベル、シンディ・クロフォード、ヘレナ・クリステンセンなど驚きのキャストがフィナーレを飾り、話題を席巻した。
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旋風を巻き起こす
いまでもベラ・ハディッドやシンディ・ブルーナと同じ扱いで年長のモデルたちがキャットウォークを歩き、その結果、モデルの平均年齢も上がった。
ヴェルサーチェはこれまで、アンバー・ヴァレッタやシャローム・ハーロウをキャットウォークに招いてきた。フェンディは2020年9月にエヴァ・ハーツィゴヴァとヤスミン・ル・ボンをキャットウォークに登場させている。1990年代にカルバン・クラインのフレグランス「オブセッション」の顔となったオランダ人モデル、マーク・ヴァンダールーも同様に。さらに昨年1月、キム・ジョーンズ参入後初となるコレクションでは、ケイト・モス、ナオミ・キャンベル、クリスティー・ターリントンという3人の象徴的なスーパーモデルを登場させた。
そしてフェンディは、2022年春夏ファッションウィークでのヴェルサーチェとのコラボレーションショーでも、旋風を巻き起こした。キャットウォークには、ジジ・ハディッド、エミリー・ラタコウスキーに加え、ケイト・モス(47歳)、ナオミ・キャンベル(51歳)、さらにアンバー・ヴァレッタ(47歳)、シャローム・ハーロウ(47歳)、エスター・カニャーダス(44歳)、クリステン・マクメナミー(56歳)といったそうそうたる顔ぶれがそろった。
バルマンのショーで、スターモデルたちに囲まれるオリヴィエ・ルスタン。(パリ、2021年photo : Imaxtree
また、2022年春夏のパリ・ファッションウィークでは、オリヴィエ・ルスタンが話題を作った。彼がバルマンのクリエイティブディレクターに就任して10周年を迎える記念すべきショーには、カーラ・ブルーニ、ナオミ・キャンベル、ミラ・ジョヴォヴィッチ、カレン・エルソンなどの豪華キャストが登場。ルスタンは2020/21年秋冬コレクションでも、エスター・カニャダスとヘレナ・クリステンセンを招待していた。
この傾向は、ファッションブランドだけではなく、美容業界にも重要な進化をもたらしている。ジェーン・フォンダやイザベル・アジャーニがロレアルのキャンペーンに登場したり、モニカ・ベルッチがニベアの広告でポーズをとったり(ドルチェ&ガッバーナでは定期的にキャットウォークに登場している)……。
2020年1月、トレンド・オフィスのCarlinはMadame Figaroの取材に対し、「うまく歳を重ねるという考え方が社会的な問題を反映していた」ために「プリズムを通過した」と語っている。 誰もが自然に自分を受け入れることを学ばなければならなかった外出制限によって、この現象はさらに加速していくだろう。
text : Justine Feutry(madame.lefigaro.fr)