黒河内真衣子厳選、古いものから学ぶための4冊。

Culture 2021.10.18

ブランド創設10周年を迎えたMame Kurogouchi。これまでの軌跡を描いた本の出版に伴って、黒河内真衣子がセレクトした本から16 冊を厳選。いまの時代とリンクする4つのテーマで紹介する。

繊細なMame Kurogouchiの服が圧倒的な存在感を発するのは、古きものへの敬意が込められているから。名もなき生活道具や昔の人の生きる知恵から、時代を切り拓くヒントをもらって。


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『The Hard Life』
ジャスパー・モリソン著 Lars Mueller刊  ¥6,930/ノストスブックス
プロダクトデザイナーのジャスパー・モリソンが、リスボンの国立民族博物館に収蔵された生活道具を撮影・編集。使い込まれてオブジェのような存在感を放つ木製のすり鉢、石製のコーヒーミル、美しく編まれたカゴやザル、農耕道具はどれも手の温もりにあふれ、古来の人が道具を作ってきた原点を見るようだ。工業化によって使い捨ての生活が当たり前になった現代に、多くの示唆を与える一冊。

『包 日本の伝統パッケージ、 その原点とデザイン』
岡 秀行ほか編 コンセント刊 ¥3,520
1950年代にアートディレクターの草分けとして活躍した岡秀行がライフワークとして取り組んだのは、日本の伝統的なパッケージだ。 プラスチック登場以前のパッケージは木、竹、藁、紙といった自然素材であり、その独創的な包み方は民芸品と呼びたくなるほど完成度が高い。捨てられることを前提としたパッケージに機能美と精神性を込めた日本の文化は、形を変え現代にも脈々と息づいている。

『諏訪式。』
小倉美惠子著 亜紀書房刊 ¥1,980
映画プロデューサーである著者がロケのため訪れた長野県諏訪地方。日本のほぼ中心に位置するその場所は、近代日本を支えた産業や文化人を多数輩出し、神話に彩られた土地だった。製糸産業から精密機器、出版業など、明治から昭和にかけて各界で活躍した諏訪人に共通するのは、土地に根を下ろした「百姓の魂」を持っていること。彼らの生きざまは、 生命や風土に向き合う姿勢に貫かれている。

『柚木沙弥郎 92年分の色とかたち』
柚木沙弥郎著 グラフィック社刊 ¥2,420
工芸とは手仕事から生まれる実用品で、祖先から代々受け継がれるもの。その無駄のない優雅で雅な佇まいこそ、いまでいうデザインの本当の姿である……そう語るのは、日本を代表する染色家・柚木沙弥郎。70年に及ぶ創作活動と、長年収集した自宅のコレクションを紹介している。ゆかりの地である松本や、宮沢賢治の地で知られ、民藝運動の舞台にも なった盛岡を訪ねるリポートも興味深い。

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『10 Mame Kurogouchi』
Mame Kurogouchi著 青幻舎刊 ¥2,970
古いものから学ぶ。繊細なMame Kurogouchiの服が圧倒的な存在感を発するのは、 古きものへの敬意が込められているから。 名もなき生活道具や昔の人の生きる知恵から、時代を切り拓くヒントをもらって。

Mame Kurogouchi
2011 年のデビュー後、多くの女性を魅了してきた、デ ザイナー黒河内真衣子率いるブランド。10 周年を迎え、 長野県立美術館で展覧会を開催。ブランドの世界観を堪 能できる『10 Mame Kurogouchi』(青幻舎刊)も発刊。

 

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『10 Mame Kurogouchi』 Mame Kurogouchi著
青幻舎刊 ¥2,970

 

*「フィガロジャポン」2021年11月号より抜粋

photography: Masahiro Sambe styling: Yumeno Ogawa text: Junko Kubodera cooperation: ew.note, tmh.

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