フランスメディアは、眞子さんの結婚をどう報じた?
Culture 2021.10.27
天皇陛下の姪にあたる眞子さんが10月26日、「かけがえのない存在」である民間人の小室圭さんと結婚した。議論を呼んだ結婚と同時に、眞子さんは皇族の称号を放棄した。「反逆のプリンセス」の肖像とは?
*フランス「Madame Figaro」の記事を翻訳しています。
天皇陛下へのご挨拶を終え、御所を後にする眞子さん。(東京、2011年10月23日) photo:Abaca
「圭さんはかけがえのない存在です」とテレビの会見で語っていた眞子さんが、10月26日に婚約者である民間人の小室圭さんとひっそり結婚した。AFPが宮内庁職員に確認したところによれば、「婚姻届が提出され、受理された」とのことだった。小室さんは米国の法律事務所に勤務をしているが、「眞子さんを愛しております」「一度きりの人生を、愛する人とともに過ごしたい」と会見で想いを吐露した。ふたりの道のりは決して順調ではなかった。天皇陛下の姪は30歳になったばかりだが、この結婚を成立させるために長い間戦ってきた。
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「無力感」
眞子さんは、多くの犠牲を払って同い歳の最愛の人と結婚した。日本の法律で皇族の女性は「平民と結婚した場合」、皇籍離脱することになっている。こうして眞子さんは、皇族の称号を放棄し、通常はその場合に与えられる一時金130万ドル(110万ユーロ、1億3700万円)も辞退した。
結婚に先立ち、眞子さんは両親に頭を下げ、妹と抱き合って家族と別れを惜しんだ。その映像は日本のテレビで流れた。小室夫妻は現在、アメリカへの移住を準備している。ここに至るまでには多くの苦難があった。
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いじめ、借金、髪型
2018年、ふたりは最初の挫折を味わった。金がらみの話のせいで結婚式を延期せざるを得なくなったのだ。日本のマスコミは、小室圭さんの母親とその元婚約者がもめていることを報じた。元婚約者は小室圭さんの母親に大金を貸したにも関わらず返してもらっていないことを非難していたのだ。皇室や皇族に清廉潔白さを求める文化のある日本人にとって、こうした争いは腹立たしい話でしかなかった。これに加えて、日本中のメディアが小室圭さんの私生活をしらみつぶしに調べ上げ、高校時代のいじめを告発し、……髪型が長すぎると日本の新聞は断じた。
こうした騒ぎや圧力の結果、小室圭さんは法律を学ぶために渡米し、今年の9月まで帰国しなかった。眞子さんは「恐怖心を覚えるとともにつらく、悲しい思いを」した。眞子さんは記者会見で、「私と圭さんとの結婚について、さまざまな考え方があることは承知しております」と語り、「私のことを思い、静かに心配してくださった方々や、事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらずに応援してくださった方々に感謝しております」と言った上で、「迷惑」をかけた人々への謝罪の言葉も述べた。
しかしながら、全国のマスコミによって流されたうわさの影響は残っている。眞子さんは、自分の恋愛が取り沙汰されたことで、心的外傷後ストレス障害になったとされている。10月初めの記者会見で宮内庁は、眞子さんが結婚に関する「誹謗中傷と感じられるできごとが、長期的に反復され」ることにより「無力感」を感じる状態となり、こうした状況が続くことは耐えられないと考えている、と秋篠宮ご一家を支える加地隆治皇嗣職大夫を通じて発表した。これも小室眞子さんが日本を去る理由の一つなのかもしれない。
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セーラー服事件
園遊会での秋篠宮皇嗣殿下、紀子妃殿下、眞子妃殿下。(東京、2017年5月16日) photo : Abaca
眞子さんがアメリカでどのような仕事に就くのかはまだわかっていないものの、しっかりとした教育を受けている。1991年10月23日、秋篠宮さまと紀子さまの間に、3人きょうだいの長女として東京に生まれた。妹の佳子さま(26歳)、弟の悠仁さま(15歳)とともに育ち、幼少期より、東京都心にある名家の子女御用達の学校、学習院で学んだ。当時のマスコミがこの大人しい少女を取り上げることは滅多になく、皇室の公式チャンネルでたまに映像が流れる程度だった。
しかし、2004年にセーラー服姿の眞子さんが一躍脚光を浴びることになる。セーラー服とは日本の女学生の制服だ。制服姿の眞子さんを描く人々がネットでイラストを共有し、やがてそれがモンタージュ映像としてまとめられ、話題となった。当の本人はアイルランド国立大学ダブリン校や三鷹の国際基督教大学で目立つことなく、勉学に励んでいた。2014年には国際基督教大学で学位を取得。未来の夫にもここで出会った。「彼の明るい笑顔」に最初惹かれたと、テレグラフ紙に打ち明けている。
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日本版メーガン夫人?
その後、ふたりは遠距離恋愛を続け、眞子さんはレスター大学大学院へ留学、2016年1月に博物館学の修士号を取得した。2013年12月、小室圭さんはロマンチックなディナーの席でプロポーズし、ふたりは2017年9月に婚約を発表した。ふたりは現在、渡米後の新生活の準備を進めている。過去にイギリス、タイ、オーストリアを訪れ、エジンバラに1年間留学したこともある旅好きの眞子さんは、夫が大手法律事務所で働くニューヨークに移住することを選んだ。メディアや家族の目からは遠く、彼の心に近いところを選択した決断は、メーガン夫人、そして反響の大きかった「メグジット」と比較されることとなった。
text:Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)