Netflix人気シリーズ『ザ・クラウン』、英国王室に訴えられる可能性が浮上！

イギリスの日刊紙『ザ・サン』が11月15日に報じたところによると、『ザ ・クラウン』シーズン5の配信開始が近づくなか、ロイヤルファミリー関係者が先ごろ、弁護士に相談を持ちかけたという。弁護士らはウィンザー家がNetflixを裁判所に訴えることは可能だと助言した模様だ。

女王とロイヤルファミリーは、「ザ・クラウン」の内容について、NETFLIXに対して訴訟を起こすことができると知らされたという。（アスコット、2021年10月16日）photo: Abaca

「英国王室vｓ『ザ ・クラウン』」。こんなタイトルが11月15日付『ザ・サン』紙の紙面に踊った。イギリスの同タブロイド紙は、『ザ ・クラウン』シーズン5での王室の描き方に懸念を抱いたロイヤルファミリー関係者が、先ごろ、弁護士に助言を求めたと報じている。相談を持ちかけられたファレール法律事務所やハーボトル＆ルイス法律事務所の弁護士たちは、ウィンザー家はNetflixに対して訴訟を起こすことができると助言したという。関係者らはすぐに女王とその周囲にこの見解を伝えたようだ。「女王とその家族に直接与えられた法律的助言ではないにせよ、アドバイスの内容は王家に報告された」と、記事のなかで匿名の情報筋が明かしている。

ピーター・モーガンによる『ザ ・クラウン』新シーズンは1990年代に焦点が当てられる予定で、多くのデリケートな話題が取り上げられることになる。とくに1995年に放送されて物議を醸したマーティン・バシールによるダイアナ妃（エリザベス・デビッキ）のインタビューもそのひとつ。「私たちの結婚には3人いました」。チャールズ皇太子（ドミニク・ウェスト）とカミラ・パーカー＝ボウルズとの不倫について、ダイアナ妃はインタビューでそう語った。しかしこのインタビューには正当性が欠如しているとして、ウィリアム王子はかつてテレビ演説を通して、問題のインタビューを2度と取り上げてほしくないという要望を明確に表明したことがあった。

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“シリーズのなかで最も議論を呼ぶ”シーズン

チャールズ皇太子とハートのプリンセスことダイアナ妃の離婚、ダイアナ妃の死、そしてウィンザー城の火災も今シーズンで取り上げられる。「このシーズンはシリーズのなかで最も議論を呼ぶものになるだろう」と、匿名の情報筋が『ザ・サン』紙に語っている。「いまだに多くの人々にとって非常に生々しい傷となっている出来事を描いている」。2020年9月に『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じたように、ハリー王子とメーガン妃が昨年Netflixと契約を結んだこともあり、問題は一層複雑だ。「女王の弁護士たちはこうした状況を注視しています」と匿名の情報筋は指摘する。「ハリー王子がNetflixとうまみのある契約を交わしただけに、『ザ ・クラウン』は」重要な懸案事項になっています」

この情報筋はこう続ける。「さらに危惧されているのは、多くの人、とくにアメリカ人視聴者がこの作品をドキュメンタリーだと思いこんでいるらしいこと。これまでもシリーズの大部分で、必ずしも王室は好意的に描かれてきませんでした。（…）次のシーズンは、王室のイメージを大きく損なうことになるかもしれない」。イギリス政府は、各エピソードの冒頭にドラマはフィクションであるという注意書きを表示するようNetflixに対して求めている。ダイアナ妃の友人で、助言役としてドラマの制作に関わっていたジェミマ・カーンは、友人の物語の描き方に対する不満を理由に、制作から手を引いた。はたしてどんな物語が展開するのか。シーズン5は2022年11月にNetflixで配信が開始される。