人種差別の疑いをかけられたチャールズ皇太子、弁護活動準備か。

ジャーナリストのクリストファー・アンダーセンによると、アーチー・マウントバッテン＝ウィンザーの将来の肌の色について人種差別的な発言をしたのは、プリンス・オブ・ウェールズだったという。王位継承者はすぐにこの疑惑を否定し、反論の準備を始めた。

ケンブリッジ大学を訪れたチャールズ皇太子。（2021年11月23日） photo: Abaca

「完全なフィクション、これ以上話すには当たらない」、チャールズ皇太子のスポークスパーソンによる公式声明にはこのように書かれている。チャールズ皇太子は、クリストファー・アンダーセンの著書『Brothers And Wives: Inside The Private Lives of William, Kate, Harry, and Meghan』が11月30日に発売されるのを前に、すでに策を講じているようだ。

「タイムズ」や「ピープル」などで活躍したジャーナリストのアンダーセンが、著書の中で、アーチー・マウントバッテン＝ウィンザーの肌の色についての発言をした人物として名前を挙げたのは、プリンス・オブ・ウェールズその人。今年3月、ハリー王子とメーガン・マークルは名前こそ明かさなかったが、王室のあるメンバーが、生まれてくる子どもについて人種差別的な発言をしたと非難している。

クリストファー・アンダーセンによると、事が起きたのは2017年11月27日、ふたりが婚約を発表した日だった。「ふたりの子どもはどんなふうになるのだろうね？」とチャールズ皇太子が妻のカミラに尋ねたという。カミラ夫人が困惑しながら「まあ、きっと素晴らしい子になるでしょうね」と答えると、それに対し、チャールズ皇太子は「『子どもの肌の色がどうなるか』という意味だよ。君はどう思う？」と返したということだ。

その後、チャールズ皇太子のスタッフは、この話を「完全なフィクション」と公言。しかし、イギリスの王位継承者は、この告発を非常に深刻に受け止めたようだ。

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「無邪気な」発言？

チャールズ皇太子は、2日前に知らされたこのうわさを阻止するために、11月28日の夜に弁護士を呼んだという。一方で、バッキンガムの職員は「ザ・サン」紙にこう語り、疑惑を否定した。「これらの主張は全くもって馬鹿げている」と匿名の人物は語る。「チャールズ皇太子付きの職員が心配しているは、皇太子の評判ではなく、本がより多く売れてしまうことです」

一方、英国王室の伝記作家であるイングリッド・セワードは、チャールズ皇太子の発言は「純粋に無邪気なもの」に違いないとコメントしている。

このような疑惑がある一方で、クリストファー・アンダーセンは著書の中で、プリンス・オブ・ウェールズの発言が、サセックス公爵夫妻の耳に届く前にバッキンガムの廊下で形を変えたのだろうとしている。「チャールズ皇太子の問いかけは、バッキンガム宮殿で囁かれる間に、本来より無邪気でないかたちで伝わった」とジャーナリストは記している。

王宮は沈黙を守っている。公式声明には「この種の書籍に対しては、ある種の権威や信頼性を与えてしまう危険があるため、コメントしないことにしている」とある。カリブ諸国の公式訪問を前に、プリンス・オブ・ウェールズはこのような論争を避けたかったところだろう。