「メグジット」の引き金は、2年前のクリスマスに女王が公開した写真だった?
Culture 2021.12.07
2019年12月25日、王家のインスタグラムのアカウントに投稿された一枚の写真。エリザベス女王と、何点かのロイヤルファミリーの家族写真が登場するこの写真が、2020年1月の「メグジット」を誘発したのかもしれない。
バッキンガム宮殿で行われたQueen’s Young Leaders Awards のセレモニーでのグループ写真。エリザベス女王がサセックス公爵夫妻と並んで。(2018年6月26日)photo: Abaca
毎年年末になると、王家のインスタグラムのアカウントには、国民に向けたエリザベス女王のクリスマスのメッセージと1枚の写真が投稿される。19年のクリスマス、女王はいつものようにこの習慣に取り組んだ。投稿された写真に写っているのはエリザベス女王だけだが、手前のデスクの上には家族の写真が並んでいる。ウィリアム王子とキャサリン妃、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子の写真。その左には息子のチャールズ皇太子とカミラ夫人の写真。そして、フィリップ王配と、父であるジョージ6世のモノクロ写真もある。
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ところが、王家のカップルであるハリー王子とメーガン妃の写真が見当たらない。「Diana’s Boys」(2001年)の著者でもあるアメリカ人作家クリストファー・アンダーセンによれば、これがサセックス公爵には気に入らなかったのだという。「ハリー王子の友人から聞いたところでは、彼は、ある意味で王家から抹消されたように感じたというのです」とアンダーセンはアメリカの週刊誌、USウィークリーに語っている。その1年前には、サセックス公爵夫妻はちゃんと毎年恒例の写真の中に姿を見せていた。つまり、この2019年の暮れにあたって、英国王室内での緊張はすでに高まっていたという結論が引き出せるのだ。
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不和を象徴する写真
クリストファー・アンダーセンによれば、サセックス公爵夫妻の写真がなかったことで、メグジットへの道は加速した。それはハリー王子に近い人物からの確かな情報だという。彼によれば、ビジュアルは、女王のクリスマスメッセージ動画を構成する要素のひとつ。「女王陛下が撮影現場で監督を前にメッセージを始める直前に、どの写真をそばに置きたいかが尋ねられます」とアンダーセンは説明する。「孫のハリー王子一家のフレーム入りの写真を見て、彼女はこう言ったそうです。『これは必要ないわね』と」
この投稿から数週間経った20年1月8日、ハリー王子とメーガン妃は公式に、彼らが王家から距離を置き、彼らの王家の一員としての役割からも身を引くことを発表した。2021年末のメッセージはもうすぐ。海外に去ったふたりのポートレートは、陛下のそばに現れるだろうか。
text: Alice Mascher (madame.lefigaro.fr)