「自然なエレガンス」を評価! 第70回ミス・ユニバースの栄冠はインド代表に。
Culture 2021.12.14
現地時間の2021年12月12日、イスラエルのエイラートで開催された第70回ミス・ユニバース世界大会でインド代表のハルナーズ・サンドゥが優勝した。
現地時間の2021年12月12日、イスラエルで開催されたミス・ユニバース世界大会でミス・インドのハルナーズ・サンドゥが優勝。(エイラート, 2021年12月12日)photo: Abaca
2021年12月12日、イスラエルのエイラートでミス・インドのハルナーズ・サンドゥがミス・ユニバースの栄冠に輝いた。この世界大会は、パレスチナ問題を支援するためのボイコットを求める声が上がったこともあり、緊迫した雰囲気の中で行われた。ミス・ユニバース世界大会がイスラエルで開催されたのは初めてのこと。新型コロナの蔓延、とりわけオミクロン株の脅威にも怯える中での第70回大会だった。
インド代表のハルナーズ・サンドゥは21歳、インドのパンジャーブ州グルハーサハイで生まれ育った。大会では彼女の「自然なエレガンス」が評価された。また、猫の鳴き声のモノマネも人々の印象に残ったようだが、パンジャビ語、ヒンディー語、英語に堪能で、行政学の修士課程に在籍している女性だ。身長176センチの新ミス・ユニバースは、パラグアイ代表のナディア・フェレイラと南アフリカ代表のラレラ・ムスワネを抑えて優勝を手にした。フランス代表のクレマンス・ボティノは9位だった。
なお、南アフリカ代表は、同国のスポーツ・文化・芸術省から「イスラエルがパレスチナ人に対して残虐行為を行っている」ことを理由に、世界大会ボイコットを勧告されたそうだ。
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候補者を送らなかった国々
世界大会のボイコットはパレスチナの複数の団体からも呼びかけがあった。とりわけ、イスラエルを文化的、学術的にボイコットすることを目指すパレスチナのキャンペーンは「イスラエルのアパルトヘイト体制とパレスチナ人への人権侵害に加担しないために、すべての出場者に辞退を勧める」ものだった。
前回優勝者のメキシコ代表のアンドレア・メサは11月にエルサレムでAFPのインタビューに応じ、同大会は政治とは無縁であるべきで、「ミス・ユニバースは政治的、宗教的な運動ではありません 」と主張した。出場者の中には、昨年イスラエルとの国交を正常化した国であるモロッコ代表やバーレーン代表もいた。
イスラエルと国交のないインドネシアとマレーシアは代表を送らなかったものの、不出場の理由はコロナ禍だった。アラブ首長国連邦(UAE)はイスラエルとの関係が正常化しており、イスラエルのべネット首相がUAEへ歴史的な訪問をする予定だったが、国の代表を選出する時間がないとの理由でやはり不出場となった。
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ベドウィン生活の一日体験
大会出場者は11月末にイスラエルに到着後、同国を観光してまわった。その過程で「文化的な問題に鈍感」という批判を受けたりしている。ベドウィンの町ラハト観光では、パレスチナの伝統的な刺繍が施された衣装を着てぶどうの葉を巻く体験プログラムがあり、ミス・フィリピンのベアトリス・ルイジ・ゴメスは「ベドウィン生活の一日体験」とのんきにツイートした。イスラエルでは、伝統的な遊牧民であるベドウィンは、ユダヤ国家内のパレスチナ人市民のコミュニティに属しており、イスラエル当局からの住居や教育面での差別を長年訴えてきている事実がある。「植民地主義、人種差別、文化的流用、家父長制、ホワイトウォッシュ、すべてがここにある」とは、パレスチナ広報外交研究所のアドボカシーグループのイネス・アブデル・ラゼック氏によるツイートだ。
ミス・ユニバースへの参加資格があるのは18歳から28歳までの未婚、未出産の女性で、主催者の試算では戴冠式は172カ国の6億人の視聴者に見られたとのことだった。
text: The Editor with AFP (madame.lefigaro.fr)