ウクライナに思いを馳せたアルマーニ、ファッションショーを無音で開催。

Culture 2022.03.01

イタリア人デザイナーのジョルジオ・アルマーニは、「現在進行中の悲劇に巻き込まれた人々への敬意から」ミラノで静かな雰囲気の中、ショーを取り行った。

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ジョルジオ・アルマーニの2022-2023年秋冬のファッションショー(ミラノ、2022年2月27日) photo: Abaca

日曜日に開催されたミラノファッションウィークで、デザイナーのジョルジオ・アルマーニは、モデルたちの足音に合わせて2022-2023年秋冬コレクションを発表した。「ショーの中で音楽を使わないことは、悲劇的状況に影響を受けている人々への敬意から決断したことです」と開演前にスピーカーからアナウンスがあった。

関連記事:ジョルジオ アルマーニ -  2022/23年 秋冬コレクション

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「私に何ができるのか」

ジョルジオ・アルマーニ(87)は、ウクライナでの出来事について発言した最初のファッション業界のビッグネームの一人である。これは、2020年2月、新型コロナウィルスによるパンデミックを認め、アルマーニがコレクションの公開を見合わせた最初のデザイナーの一人であったことを思い起こさせる動きでもある。ファッション業界の長老として知られる彼は、イメージがすべてであるこのファッション業界において、象徴的なものが重要であることを理解している。「私に何ができるのか。私は沈黙によって悲劇への鼓動を伝えることしかできなかった。デフィレ(ショーのための音楽)はいらないと思った。一番良いのは、私たちが幸せではないというシグナルを送り、何か不穏な動きが起きていることを認めることだ」。

 

 

コレクション発表の2日目にロシアによるウクライナ侵攻が始まったことを受け、ミラノ・ファッションウィークは月曜日、一部のオブザーバーが場違いだと判断する雰囲気の中、幕を閉じた。以降、その言葉は印象的なものとなり、国際的なシーンとファッションの世界とのコントラストが強まっている。

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ファッションウィーク中のミラノで発表したウクライナのアウターウェアブランド、IENKI IENKI(イエンキイエンキ)の創設者ディーマ・イヴェンコは、その姿勢に疑問を投げかけている。ディーマは次のように雑誌GQに語った。「問題はそこよ、誰も気にしてないの。他のウクライナ人たちと一緒にここにいて、様々な人と出会い、ファッションウィークの真っ只中にいると、まるでカプセルの中にいるような感じなの」。パリ・ファッションウィークは、ミラノ、ロンドン、ニューヨークに続き、2022-2023年秋冬コレクションの発表を2月末に開催する。現在の状況を鑑み、オートクチュール・モード連盟のラルフ・トレダノ会長は「この暗黒の時間に想いを馳せながら、厳粛な気持ちでこれからのショーを体験してほしい」という声明を発表した。

●問い合わせ:ジョルジオ アルマーニ ジャパン
Tel: 03-6274-7070
www.armani.com/ja-jp/experience/giorgio-armani/fashion-show-fall-winter

 

texte: Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr), traduction: Hanae Yamaguchi

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