かつて世界に衝撃を与えたパフォーマンス、ウクライナ支援のために一日限りで復活!

Culture 2022.03.24

2010年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)でセルビア出身のアーティストは長時間パフォーマンスを行い、アート界を超えて世界中に衝撃を与えた。それから12年、世界的に有名なパフォーマンスアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチは再びテーブルの前の椅子に座り、ウクライナ支援に立ちあがった。

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ニューヨーク近代美術館でのパフォーマンス「The Artist Is Present」におけるマリーナ・アブラモヴィッチとテヒン・シェー。(2010年3月9日、ニューヨーク) photography: Getty Images

2010年、ニューヨークのMoMAでのパフォーマンス「The Artist Is Present」はアート界をはるかに超えて人々に衝撃を与えた。マリーナ・アブラモヴィッチは3ヶ月間近く、毎日8時間椅子に座り、自分の前に見知らぬ人が座るのを待っては1分間見つめあうことを繰り返した。パフォーマンスには1,500人以上が参加した。それから12年経った今日、セルビア出身のアーティストはロシアのウクライナ侵攻の被害者支援のため、このパフォーマンスを再び行うことにした。ニューヨークのショーン・ケリー・ギャラリーやアートオークションプラットフォーム「Artsy」と連携し、オークションの落札者は、ニューヨークの同ギャラリーで開催中の個展の最終日、4月16日にパフォーマンスに参加することができる。

オークションは3月25日正午に終了し、落札枠はふたつしかない。ひとつは1名用、もうひとつは2名用で、当日のパフォーマンスの様子は2010年の「The Artist Is Present」をほとんど撮影したフォトグラファー、マルコ・アネッリによって撮影される。入札で集まった寄付金は、ダイレクトリリーフという、ウクライナ保健省と提携して難民や戦争被害者へ長期的な支援や医療支援を進めている非営利の人道組織に寄付される予定だ。

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「本当に辛い」

2010年の「The Artist Is Present」はマリーナ・アブラモヴィッチの代表作となっている。当時、多くのセレブが好奇心からこのパフォーマンスに参加した。たとえばルー・リード、ジェイ・Z、ビョークなどだ。また、元パートナーであるアーティストのウレイが訪れた時の感動的なシーンも人々の記憶に残っている。突然の再開に驚いたマリーナは最後、涙にくれていた。東欧との縁は昔から彼女の作品に影響を及ぼしている。75歳の彼女は、ウクライナの紛争に心を痛めているようだ。「本当に辛い。とても辛い。戦争というものは一般的に辛いものだから」と2022年3月15日付のW誌のインタビュー記事で語っている。「ウクライナがシリアであってもどこでもいい。作品を作り、アートのためのメッセージを作るとき、実際に超越的で、社会がその時々に必要とする様々な方法で使えるものを作らなくてはならないのよ」

text: Leonie Dutrievoz(madame.lefigaro.fr)

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