ロンドンの地下鉄が新設! 女王が式典に駆け付ける。
Culture 2022.05.18
ロンドン地下鉄のパディントン駅で新線の開通式が5月17日に行われ、エリザベス女王も笑顔で出席した。
女王の名前を冠した地下鉄新線の開通式に本人がにこやかに出席。(ロンドン、2022年5月17日) photography: Abaca
5月10日のイギリス議会開会式では「歩行の問題」により、「女王の演説」をチャールズ皇太子が代行した。しかしながら1週間後の5月17日、女王の名前を冠したロンドン地下鉄新線の開通式に本人がサプライズで登場した。黄色いスーツに揃いの帽子をかぶった女王は息子のエドワード王子に伴われてロンドン西部のパディントン駅に到着し、杖をつきながらも終始上機嫌だった。
この開通式はロンドン東西の郊外を結ぶ地下鉄の新線「エリザベスライン」が5月24日より運行開始するのに先立って行われた。3月末にウェストミンスター寺院で行われた亡夫フィリップ王配の追悼式典以降、女王はウィンザー城で暮らしており、今回は女王がウィンザーを離れてこうした場にやってきた久しぶりの機会となった。ボリス・ジョンソン首相は女王の登場に「信じられないほど感動した」と述べて歓迎した。在位70周年のプラチナ・ジュビリーのお祝いが近づくにつれて96歳の君主は歩行の問題を抱えながらも、公の場に姿を現すようになっている。
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「ラッキーな展開」
ロンドン地下鉄新線の開通式に息子のエドワード王子と出席したエリザベス女王。(2022年5月17日) photography: Abaca
2021年秋には体調不良に見舞われて一泊の検査入院をしたものの、詳細は公表されていない。その後の女王は公の場への登場が大きく減った。今回の開通式は、もともとエドワード王子が出席することになっており、女王も一緒にやってきたのは、「ラッキーな展開」であると王室のスポークスマンは述べた。
5月15日、エリザベス女王はウィンザーで開催された馬術イベントに出席した。これは、プラチナ・ジュビリーを祝う記念式典の幕開けとなるイベントで、国際的に有名な馬術競技大会「ロイヤル・ウィンザー・ホース・ショー」の最終日に行われた。このホース・ショーには女王所有の馬が何頭も出場しており、2日前にも女王が会場に姿を現したばかりだった。歩行の問題を抱えつつも体調が良さそうな女王の様子は、これから6月上旬にかけて行われる一連のプラチナ・ジュビリー記念式典に女王の参加が期待できる心強いサインだ。
ここ数ヶ月、イギリス議会開会式などの大きな行事を女王は欠席している。開会式を欠席したのは在位中たったの3回目であり、今回初めて73歳のチャールズ皇太子が代行した。これは女王の健康問題を踏まえてイギリス王室が王位継承を準備しはじめた兆しとみなされている。
text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr) with AFP