SNSで脱ぎたがるアラフィフセレブたちの心理って?
Culture 2022.07.03
文/さかいもゆる
2年前、48歳の誕生日にオールヌードのセルフィーをインスタグラムにシェアしたグウィネス・パルトロウを筆頭に、SNSで自らのヌードや水着姿を投稿するアラフィフセレブは多い。
結婚発表を機に美しさに磨きがかかるジェニファー・ロペス(ヴェネチア、2021年9月10日)photography: REX/AFLO
なぜ彼女たちはSNSで脱ぎたがるのだろうか?
---fadeinpager---
48歳になった記念にオールヌードを披露したグウィネスに、娘のアップルは「ママったら! でも、最高よ」とコメントしていた。
---fadeinpager---
2020年11月には、当時51歳だったジェニファー・ロペスがシングル『In The Morning』のプロモーションでこれまた、オールヌードを投稿。
カリスマトレイナーのトレイシー・アンダーソンとデヴィッド・キルシュとの、アスリート並みにハードなワークアウト・セッションにより鍛えたJ.Loのボディはもはや重力に逆らっているかのようなヒップが圧巻。こんな身体をしていたら、いくつになっても見せびらかしたくなるのはわかる気がする。
---fadeinpager---
そして、ヌードのセルフィーを頻繁に公開しているのは、55歳の元スーパーモデル、ポーリーナ・ポリスコワ。彼女の投稿にはボディ・ポジティブへのメッセージが込められていて、こんなコメントが添えられていたことがある。
「20代や30代のとき、私は薄着していて、今よりもっと人気があった。40代になってもなお、私は裸同然の格好で歩き回ることができた。50代になって、私は罵倒されるようになった。『服を着なさいよ、おばあちゃん。そんなに人々の注目が欲しいの? 何をそんなに追い詰められているの? 哀れね』ってね」
「なぜセクシュアリティやヌードは若い女性だと賞賛されて、成熟した女性だと罵倒されるの? それは男性たちのせい」。この投稿には、「セクシーに賞味期限はない」というハッシュタグが付けられていた。そしてきっと、このハッシュタグこそが、アラフィフセレブたちが発信したいメッセージの本質ではないかと思うのだ。
---fadeinpager---
世間には、40を過ぎたら女性は表舞台から引退すべきだというような暗黙の同調圧力が、未だ存在する。それは、こんなに美しくパワフルなアラフィフセレブたちがエイジズム(年齢差別)に声を上げなければならない状況からも明らかだ。
だけど実際には年齢とは単なる記号のようなもの。いくつになったって、魅力的で居ること、セクシーで居ること、そしてヌードを投稿する権利が、私たちにはある。それを証明するために、セレブたちは自ら肌を露出し続ける。
それは実際、私たちを勇気づけ、あるときにはモチベーションを与えてくれる。2020年3月には、白ビキニ姿のセルフィーを投稿したJ.Loがみんなをインスパイアし、SNSで「#J Loチャレンジ」というハッシュタグがトレンドになったことが。これは当時50歳だったJ.Loのビキニ姿に触発された、彼女と同じように子供を持つ女性たちが、年齢や体型を気にせずに自分のビキニ姿をSNSに投稿する、というもの。中には帝王切開の傷を堂々と見せる女性や、孫が居るおばあちゃんも居た。
たった一枚の写真の投稿で人の意識や人生までをも変えてしまうセレブの影響力って、やっぱりすごい! だから私はセレブウォッチがやめられないのだ。