キム・カーダシアンの外見になりたい!?世界中の女性たち。

Culture 2022.08.19

文/安部かすみ

もたつくあご周りに、パッと冴えない顔色。分厚い脂肪がついたウエストに垂れたお尻…… 。現代女性の中には、自分の容姿についてさまざまな悩みを抱え、現状への満足が容易いことではないと思っている人が少なくないようだ。

デイリーニュース(2015年)によると、5000人以上の女性を対象にした調査で、アメリカ人女性の5人に1人が自分の容姿に満足しておらず、美容整形を考えているという。また、7%が過去に整形手術を行ったことがあると答えた。

美容整形手術を受ける可能性が高い女性の特徴として、イギリスを対象にした調査(2012年)では、自尊心と自己評価、そして自分の人生に対する満足度が低く、宗教的信念がなく、テレビをよく観る習慣のある人だという。

日本人女性の間でも近年、有名人のインスタや韓流整形ブームの影響で、プチ整形を含め整形手術がより身近なものとしてだいぶん浸透してきた。近年、二重まぶたや痩身の広告も、メディアでよく見かけるようになった。ちなみに、日本人女性の「なりたい顔」は、オリコンランキングによると(2021年)、新垣結衣さん、北川景子さん、橋本環奈さんだという。

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人気はキム・カーダシアン。手術をして後悔する人、しない人...

美容整形先進国のアメリカ。ここでは「なりたいセレブ」は顔のみならず「全身」に及ぶ。そしてなりたいセレブのトップは断然「キム・カーダシアン」。彼女のような容姿に憧れ、簡単にそれを手に入れるために美容整形クリニックを訪れる女性が後を絶たない。そしてなりたい容姿=キム・カーダシアンのトレンドは、どうやらアメリカだけではないようだ。

28歳になる韓国人シェリー・リーさんも、キム・カーダシアンの容姿に憧れた1人。彼女は6万ドル(800万円相当)をつぎ込み、8年かけて頭のてっぺんから足の爪先まで大改造してきた。これまで3回のブラジリアン・バット・リフト(臀部をリフトアップし形を豊満にする手術)や2回の豊胸手術、および顔のパーツなど、計15回の整形手術を受け、憧れのスターに近づいていった。

彼女の整形手術の旅は2014年、20歳の時に受けた二重まぶたの施術に遡る。恋人との大きな別れを経験し、それをきっかけに初めて美容整形クリニックの門を叩いた。「術後に耐え難い痛みがあるが、退院のたびに前向きな変化が見られる」ことに満足し、中毒と言われるほどのめり込んでいった。

8年後の彼女はもはやアジア人には見えないほど、大変身。「家族や親戚の中にも、変わりすぎて自分だと気づかない」とか。

 

 

「以前の自分のオリエンタルの見た目が好きではなかった。今の自分の容姿に満足、本当に幸せ」とメディアに語った。彼女自身は整形手術にまったく後悔しておらず、唯一の後悔と言えば「なぜもっと早く施術を受けなかったか」ということだけのようだ。

キム・カーダシアンになろうとして、後悔しなかった人ばかりではない。

29歳のブラジル人モデル、ジェニファー・パンプロナ(Jennifer Pamplona)さんは、キム・カーダシアンのような外見を目指し、8回の臀部手術や3回の鼻形成術など、12年間で合計40回の美容整形手術を受けた。その間費やした手術費用は、約60万ドル(8000万円相当)という。パンプロナさんは世界中から大注目を浴び、インスタグラムのフォロワーは100万人を超える人気者になった。

 

 

しかしその後、パンプロナさんは身体醜形障害(Body Dysmorphic Disorder、BDD)と診断され、施術の継続中止を余儀なくされた。他人が自分の外見が欠陥していると思っていると信じ込む障害にいつの間にか陥っていた。

BDDの診断で目が覚めたのか、次第に「カーダシアン(のよう)と呼ばれることが、うっとうしくなってきた」という。そこで「元通りにするための手術」を受け、それに約12万ドル(1600万円相当)を費やしている。「私は美容整形中毒になっていた。整形をしても幸せは手に入れられなかった」と、メディアで語った。

text: Kasumi Abe

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