「ロンドン橋計画」「ユニコーン作戦」......女王の死去から10日間の緻密なスケジュールとは?

Culture 2022.09.09

葬儀や新国王の即位、ウィリアム王子キャサリン妃への新しい称号授与等、エリザベス女王が死去した後の手順を決めた計画書が「ロンドン橋計画」だ。この計画の「ユニコーン作戦」が発動されたいま、これからの10日間にどんなことを予定されているかを見ていこう。

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パインウッド映画スタジオを訪れたエリザベス女王。(2007年11月2日、バッキンガムシャー州) photography: Abaca

女王の死去に伴う行動計画は1960年代に策定され、その後秘密裏にブラッシュアップされてきた。計画の中核は2014年に引退した元従者、アンソニー・メイザー中佐が定めたもので、君主の死去後の10日間について定めている。その名もロンドン橋計画。エリザベス女王が9月8日の夜に亡くなったことで、この計画が開始された。

女王はスコットランドのバルモラル城で亡くなったため、ロンドン橋計画のなかでユニコーン作戦と呼ばれる計画が実行される。ユニコーンの名は、イギリスの国章に描かれるユニコーンがスコットランドの象徴であることに由来する。エリザベス女王の棺はまずスコットランドの首都、エディンバラ市のホリールード宮殿に安置される。同市のセント・ジャイルズ大聖堂でミサが行われた後、エディンバラ・ウェイヴァリー駅からイギリス王室専用列車「ロイヤルトレイン」でロンドンへ移送される。なお、海外で亡くなった場合は、「ロイヤル・フライト」と呼ばれるジェット機が棺を用意してロンドン西部のノーソルト空港から飛び立つはずだった。

スコットランドのメディアによると、スコットランドで死去した場合の手順を定めたこの作戦の名称が公で初めて使用されたのは2017年で、世界中から殺到するであろう弔問客対応の検討を議会が行う過程で用いられた。

スコットランドの新聞、「ザ・ナショナル」紙によると、エリザベス女王の死を悼み、スコットランド議会は現在活動を中断している。ちなみにロンドン橋計画が一般に知られるようになったのは2017年、サム・ナイト記者が「ガーディアン」紙でその詳細を報じてからである。それは偶然の介入を徹底的に排し、軍事行動に匹敵するほど緻密な計画であった。

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text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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