新しいアートの聖地、青森を巡る 十和田市 美術館も町中アートも楽しい!

Culture 2022.09.17

軍馬を育てていた歴史を持つ馬産地。それゆえ馬モチーフのアートは、愛される町のシンボル。美術館と町中アートで、新たな町の魅力を発信。

十和田市現代美術館

町の表情を変えた、芸術のワンダーランド。

20220823-TOWADA ART CENTER-01.jpg

ゲストを迎えてくれるのは、韓国のチェ・ジョンファによる『フラワー・ホース』。馬の町・十和田を象徴している。手前の7 つ積まれたリンゴは、2020年にお披露目された、鈴木康広の『はじまりの果実』

160本もの桜の木が並び、春になると一面がピンクに染まる官庁街通り。この通り沿いに2008年に建てられたのが十和田市現代美術館だ。展示されるのは名和晃平や塩田千春といった現代を代表するアーティストの作品。大小さまざまな長方体の展示室が連なる建物はSANAAの西沢立衛によるもので、これらの常設作品に合わせて設計。1部屋に1アートがベースで、空間そのものを楽しめる仕掛けがある。美術館の誕生を機に、通りや町中も徐々にアート化。草間彌生作品が彩るアート広場や、スペインの作家によるカラフルなベンチなど、街歩きまで楽しいエッセンスが十和田には詰まっている。

20220823-TOWADA-ART-CENTER-02.jpg名和晃平の『PixCell-Deer#52』。鹿の剝製の表面を透明な球体で覆い、のぞき込むとレンズのような役割になる。

20220823-TOWADA-ART-CENTER-03.jpg塩田千春の『水の記憶』。十和田湖にあった古い木船をアートに。全長8㎞にもおよぶという、赤い糸が部屋中に張り巡らされている。

20220823-TOWADA-ART-CENTER-04.jpgアルゼンチンの作家、トマス・サラセーノ『オン・クラウズ(エア-ポート-シティ)』。複数のバルーンの集合体。はしごを上ると、内部がのぞけ、空中にいるような気分が味わえる。

十和田市現代美術館
青森県十和田市西二番町10-9
tel : 0176-20-1127
営)9:00~17:00
休)月 ※祝日の場合は開館、翌日休館
料)一般¥1,800
https://towadaartcenter.com

---fadeinpager---

[ まちなか常設展示&ストリートファニチャーにも注目! ]

20220823-TOWADA-ART-CENTER-05.jpg

現在、12のアートが「まちなか常設展示」や「ストリートファニチャー」として美術館の周辺に置かれている。上段左:商店街の通り沿いにある近藤哲雄による『ポット』。雲のようなオブジェは、ベンチや花壇として活用されている。 上段右:バス停横には、マイダー・ロペスの『トゥエルヴ・レベル・ベンチ』が。 中段左:作品ではないが、ポールにも馬のオブジェ。十和田には、馬のブロンズ像や蹄をかたどった道端アートが点在する。中段中:エルヴィン・ヴルムによる『ファット・ハウス』と『ファット・カー』。時間によって、家の内部も公開される 中段右:巨大な枕のように見えるリュウ・ジァンファの『マーク・イン・ザ・スペース』は官庁街通りにふたつある。 下段左:美術館の向かいに広がるアート広場。展示されているのは、草間彌生の『愛はとこしえ十和田でうたう』 下段右:インゲス・イデーの『ゴースト』。アート広場を浮遊しているかのように見える。

---fadeinpager---

アート散歩の寄り道@十和田市

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル

渓流を臨むホテルで、自然と美食を満喫。

十和田湖から続く奥入瀬渓流沿いに立つ。岡本太郎による大暖炉『森の神話』や『河神』と、四季折々の景色がホテルを彩る。鳥の鳴き声と川の音しか聞こえない渓流テラスで楽しむ朝食やアペロは、まさに至福のひととき。旬の食材を使った繊細なフレンチとグランヴァンを堪能した後は、露天風呂で旅の疲れを癒やして。

20220823-Hoshino-Resorts-01.jpg

ロビーには高さ8.5mにもなる岡本太郎の『森の神話』。奥入瀬渓流に生息する鳥やキノコ、森が共生している様を表現。

20220823-Hoshino-Resorts-02.jpg

ホテルの敷地内、渓流の小路には岡本太郎の『太郎カッパ神像』が立つ。

20220823-Hoshino-Resorts-03.jpg

さまざまなタイプの部屋を用意。写真は半露天風呂付きの渓流ツイン。

20220823-Hoshino-Resorts-04.jpg

奥入瀬の自然をフレンチで表現するソノール。季節によって食材や料理が替わる。マグロを使った一品はファンも多い。

Hoshino Resorts Oirase Keiryu Hotel
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
tel:0570-073-022(星野リゾート予約センター)
全187室 バスタブ付き11室(露天風呂付き客室を含む)
1名¥22,000~(2食付き、夕食が「青森りんごキッチン」の場合)、1名¥38,280~(2食付き、夕食が「ソノール」の場合)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu

新しいアートの聖地、
青森を巡る。

*「フィガロジャポン」2022年9月号より抜粋

photography: Kentauros Yasunaga

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories