カニエ・ウェスト、ジャーナリストにインスタで個人攻撃!
Culture 2022.10.11
イージー(YEEZY)のデザイナーも務めるカニエ・ウェストを非難する声が巻き起こった。パリでのファッションショーの後、ジャーナリストのガブリエラ・カレファ・ジョンソンを中傷したからだ。同ブランドのTシャツに掲げられた「ホワイト・ライブズ・マター(White Lives Matter)」のスローガン批判をジャーナリストがおこなったことが発端だった。
パリ滞在中のカニエ・ウェスト、ジバンシィのショーに到着。(2022年10月2日)photography: Getty
カニエ・ウェストがまたもや新たなトラブルを起こした。10月3日に自身のブランドイージー(YEEZY)のサプライズショーをおこなった後、45歳のラッパーは「ヴォーグ」のエディター、ガブリエラ・カレファ・ジョンソンをインスタグラム上で激しく中傷したのだ。そもそもパリのファッションウィーク期間中、カニエ・ウェストは、2020年以来となる新作コレクション「イージー(YEEZY)シーズン9」を発表した。開催は前日に知らされ、ショーを見に集まったのは件の「ヴォーグ」編集者を含む50人だった。アメリカの白人ナショナリズムを直接指す「ホワイト・ライブズ・マター(White Lives Matter)」と書かれたTシャツがランウェイに登場し、黒人の権利擁護で知られるガブリエラ・カレファ・ジョンソンはショックを受けた。
オフホワイト2023年春夏コレクションでのショーでのアノック・ヤイとガブリエラ・カレファ・ジョンソン。ガブリエラはカニエ・ウェストから批判された服を着ている。(パリ、2022年9月29日)photography: Abaca
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「そこに芸術性はない」
公民権に高い関心を持ち、黒人女性として初めて「ヴォーグ」のグローバル・ファッション・エディターとなって表紙の決定にも関わるガブリエラは、インスタグラムで落胆の声を上げた。最初はショーの間、モデルがこのTシャツを着ている動画を投稿し、その後、彼女の友人とのチャット画面を投じた。チャットの中でデザイナーとの意見の相違について「彼は、白人が絶滅するか、少なくとも防衛を必要とするほど危険にさらされるかもしれない未来のディストピア世界を描こうとした」と書いた。また、このような振る舞いは「不快で暴力的で危険」であり「そこに芸術性はない」ともつづった。これに対し、カニエ・ウェストもSNS上で反撃した。
カニエ・ウェストがドナルド・トランプ寄りの保守系政治コラムニスト、キャンディス・オーウェンズと「ホワイト・ライブズ・マター(White Lives Matter)」のTシャツを着用。 (パリ、2022年10月3日掲載)photography: Instagram/@realcandaceowens のスクリーンショット
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ファッションの正義
カニエ・ウェストはガブリエラの写真を複数投稿し、彼女の服装を批判した。「アナ・ウィンターはあいつのブーツを嫌っている」とか、「おまえはファッションの人じゃない」と編集者の適性を疑う言葉で中傷した。数時間後、この暴言は削除された。唯一、存在したことを示す痕跡はファッションデザイナー、モワローラ・オグンレシからのテキストメッセージをスクショした投稿で、カニエ・ウェストと過去にコラボレーションしたモワローラはジャーナリストを侮辱するのではなく、きちんと対話すべきだとアドバイスしている。
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ファッション界からはラッパーへの批判の声が一斉に上がった。カニエ・ウェストの投稿へのコメントで、モデルのジジ・ハディッドは「あなたはいじめっ子であきれるしかない」と断罪し、ガブリエラ・カレファ・ジョンソンを擁護した。彼女に続いてヘイリー・ビーバー、カニエの発言を「容認できない」と感じた「ヴォーグ」編集部、その他多くのファッション業界人が投稿を通じて支持を表明した。
その後、カニエ・ウェストは再び発言し、「自分のシスター」であるガブリエラ・カレファ・ジョンソンと10月4日、穏やかに話しあったと発表した。一方、ガブリエラは寄せられた支援に対する感謝の言葉をストーリーズに掲載した。ようやく事態は沈静化したものの、カニエ・ウェストはやりすぎたようだ。
text: Rose Casado (madame.lefigaro.fr)