紅葉の見頃を迎えた鎌倉で見つけた、おいしいモンブラン5選。
鎌倉ウイークエンダー 2025.12.03
長谷川真弓

紅葉の名所として有名なお寺や神社はもちろん、街のそこここで木々が鮮やかに色づいているので、散策にぴったりのシーズン。
いままさに紅葉が見頃の鎌倉。紅葉スポットめぐりと合わせて楽しみたいのが、栗を使ったスイーツであるモンブラン。オーソドックスなものから個性派まで、お店によって味も見た目もさまざま。絶品のモンブランとともにゆっくりとティータイムを楽しめるお店を厳選して5軒ご紹介!
ふんわり軽い、繊細なモンブラン
#01. la boutique de yukinoshita kamakura

「和栗のモンブラン」¥920。熊本の栗や茨城の笠間栗を時期によって使い分けているそう。
世界大会準優勝など数々のコンクールで受賞歴を持つパティシエ、佐々木元氏が手がける人気のパティスリー。ショーケースの中で色とりどりに輝くスイーツの中でも「和栗のモンブラン」はこの時期の主役的存在だ。
「重たくなりがちなモンブランを軽やかに仕上げたい」と、低脂肪の生クリームを使用したり、バターも控えめにするなど、軽さと優しい味わいにこだわって仕上げている。
土台はしっかりと焼き込んだ香ばしいアーモンドのメレンゲ。クレームシャンティ(生クリーム)の中には、ラムでコンポートした和栗がダイス状にカットされて入っている。今年はそこに、バニラをたっぷり使ったババロワバニーユを加えてリニューアルしているそう。口溶けの良い優しい甘さのマロンクリームで包んだ、フォルムも美しい一品。モンブランの新しい表情を味わうことができる。

若宮大路沿いにたたずむパティスリー。ブルーのファサードが目印。
ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ
神奈川県鎌倉市小町2-12-25
0467-53-9692
営)10:00〜18:00
休)不定休
@yukinoshita_kamakura
★Google Map
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主役である栗の美味しさをそのまま閉じ込めた
#02.Cafe Romano

小布施栗のモンブラン¥1600、紅茶¥850。
長野県の小布施(おぶせ)といえば、栗の産地として有名で、江戸時代には幕府にその栗が献上されていたという歴史も。栗の栽培に適した、寒暖差が激しい土地で育てられた小布施栗は、粒が大きく、濃厚でしっかりとした甘さが特徴だ。
そんな小布施栗に魅せられた「Cafe Romano」店主の岡田剛さん。20年ほど前、「この栗を使ってモンブランを作りたい」と研究を重ねて作り上げたモンブランは、いまでもこの店で長く愛されるロングセラー商品となっている。
生栗を朝茹でるところから始め、丁寧に裏ごしし、すべて手作業でつくるマロンペーストは、栗本来の味をダイレクトに感じることができる。土台となるメレンゲは低温で3時間しっかりと焼き込んでいる。手間隙をかけて作り込んだ上、仕上げはオーダーを受けてから一つ一つしぼっていくので、フレッシュな味わい。
栗だけでなく、生クリームなどほかの食材も厳選して良いものを使っているそう。自然の恵みを存分に味わえる贅沢なモンブランに、心まで満たされる。

店主・岡田さんの淹れるネルドリップコーヒーが美味しいと評判。スイーツはすべて自家製。
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ラム酒が香る、芳醇な味わい
#03. レ・ザンジュ鎌倉本店

源氏山しぼりたてモンブラン¥1311、アールグレイ¥660。
1982年に誕生以来、鎌倉で長年愛され続けてきたパティスリー。南仏ニースの別荘をイメージして、屋根には現地から輸入したフランス瓦を、エントランスにはレンガを敷き詰めている。中のサロンもクラシカルな雰囲気で、日常から離れてゆっくりお茶ができると幅広い年齢層に人気だ。
この店に行ったらぜひ味わってほしいのが、イートイン限定のモンブラン。注文を受けてから仕上げるため、ふんわりとした食感がたまらない。
マロンペーストの香りづけには、和栗の繊細な味を損なわないよう、上品な味と香りの高級ラム酒ディロンを使用している。その芳醇なペーストに、きび砂糖で優しい甘さを加えた生クリームとサクサクとしたメレンゲのバランスが絶妙。
モンブランのプレートには、かわいらしい小鳥やリスのクッキーが添えられている。店内から眺められる中庭には、実際に小鳥やリスが立ち寄ることもあるとか。絵本の世界のような、ちょっと特別なティータイムを楽しんで。

中庭をのぞむ、アンティーク調の落ち着きある店内。
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フリルのような華やかなデザイン
#04.豊島屋洋菓子舗 置石

洋栗のモンブラン¥750、有機焙煎コーヒー¥550(※セット価格で50円引きに)。
鎌倉を代表する手土産といえば、豊島屋の「鳩サブレー」。豊島屋本店の斜向かいに建つのが、洋菓子をメインに扱う「豊島屋洋菓子舗 置石」で、今年10周年を迎えた。昔の町名が「置石」だったことからこの店名になったそう。
1階は色鮮やかなケーキや洋菓子などが並ぶショップで、2階がカフェ、3階が厨房となっている。カフェの店内から鶴岡八幡宮の鳥居と、参道である段葛(だんかずら)が見下ろせる、ロケーションの良さも人気だ。
いまの時期、注文する人が後を絶たないのが「洋栗のモンブラン」。タルト生地の土台にひんやりとした栗のムース、表面は栗のペーストがフリルのように優美にたっぷりとまわりを囲んでいる。栗の香り付けをしたラム酒を使っているので、中に入った栗の渋皮煮栗との相性も抜群。
欧州産の栗を使用したこちらの商品とは別に、「和栗のモンブラン」も人気。こちらはお酒を使わずに、土台もスポンジ生地でふわっと仕上げているので、食べ比べしてみるのもおすすめ。

大きな窓からは目の前に鳥居が。段葛が桜並木となる時期は、圧巻の景色だそう。
としまや ようがしほ おきいし
神奈川県鎌倉市小町2-15-5
0467-22-8102
営)11:00〜17:30(※ショップは〜18:30)
休)水(祝日の場合は営業)
★Google Map
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毛糸玉を模したフォトジェニックな一品
#05.CAFÉ DE FLEUR

毛糸玉の和栗モンブラン¥1100、カフェラテ¥660(※デザートセットで合計より100円引きに)。
毛糸玉に見立ててつくられた、まんまるの可愛らしいフォルム。熊本の球磨栗のペーストを使った濃厚なモンブランペーストが、ニットの編み地のようにぐるぐると巻きついている。
トップに乗ったチョコレートもボタンの形をしており、細部までこだわったビジュアルが目を引く。中には甘さ控えめの生クリームと、和栗が丸ごと1粒ゴロンと入った贅沢なつくり。
一つ一つ手作りしているので個数は限定だそう。このモンブランを目当てに訪れる人も多く、夕方になると売り切れてしまう可能性もあるのでご注意を。
ほかにも「和栗モンブランのプリンア・ラ・モード」「和栗モンブランパフェ」「和栗モンブランソフト」と、モンブラン好きにはたまらないメニューが並んでいるので、友人といっしょにあれこれ頼んでシェアするのも楽しい。

白を基調とした優しい雰囲気のインテリア。奥行きがある店内は42席あるのでゆっくりとくつろげる。
text & photography: Mayumi Hasegawa







