儀式の時間は短縮、招待客は6000人減? チャールズ3世が計画するスリムな戴冠式とは。

Culture 2022.10.12

10月8日のイギリスの「メール・オン・サンデー」紙は、2023年5月6日に行われるイギリス国王戴冠式について報じた。どうやら従来の式典とは様相がだいぶ異なるようだ。

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エリザベス女王の葬儀後、初となる外遊でスコットランドを訪れたチャールズ3世。(2022年10月3日)。photography: reuters/aflo

9月8日にエリザベス女王が死去し、新国王チャールズ3世が誕生した。その後、ロンドンのセント・ジェームズ宮殿での式典で、公式に即位が宣言されたものの、戴冠式は2023年5月6日まで行われない。戴冠式はおめでたい行事のため、イギリス人によれば喪中期間中は行うことができないそうだ。通常は君主の死後一年間が喪中期間となる。イギリスの「メール・オン・サンデー」紙は10月8日、戴冠式に関する記事を掲載した。近代的で新しい王政を目指すチャールズ3世は戴冠式の改革を望んでいるそうだ。

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時間ばかり喰う典礼

まず、式典は従来の4時間から1時間余りに短縮される見込みだ。インクもれする万年筆と格闘する国王のほほえましい映像で、チャールズ3世が気短なのは国内外に知れ渡った。なので「難解で時間ばかり喰う典礼」を戴冠式から省き、重苦しい雰囲気になるのを防ぎたいと国王が言い出したことは、さしたる驚きもなく受け止められた。いずれにせよ、式典自体は国王の母や祖父同様、ウェストミンスター寺院で行われる。

時間だけでなく招待客もスリム化する。これまでイギリス君主の戴冠式には約8,000人が出席していた。しかし、今回は6,000人も減らすことになりそうだ。「メール・オン・サンデー」紙によれば、招待客を整理して多くの貴族や国会議員を除外した結果、招待客はたった2,000人になる見込みだ。

また、ドレスコードも緩やかになる。華やかな正礼装ドレスではなく、もっと簡素な服でいい。「国王は、70年の間に世の中が進化したことを認識し、これまでの戴冠式から多くを省いた」とある関係者は同紙に語った。なお、エリザベス女王の戴冠式は、父の国王ジョージ6世の死後約1年後の1952年6月2日にウェストミンスター寺院で盛大に行われている。

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新硬貨

もうひとつのささやかな改革は、王の肖像をあしらった新硬貨だ。「メール・オン・サンデー」紙によると、チャールズ3世は硬貨に刻む国王の名前をこれまでのラテン語ではなく英語にし、千年以上続く伝統を破った。新しい時代の硬貨には「Charles III DG REX FD」という刻印がされる。「“チャールズ(Charles)”の名が硬貨に載るのは、君主が今日の市民に身近な存在であることを示すためだ」と、ある関係者は同紙に説明した。

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チャールズ3世の肖像画が入った新硬貨。photography: Abaca

来年6月の戴冠式の日、国王チャールズ3世は母親が使っていた1762年製の金色の馬車でウェストミンスター寺院に向かう。これぞ豪華さの究極のシンボルなのではあるけれど。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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