エリザベス女王、2021年に起きた暗殺未遂事件での"クールな反応"とは?

Culture 2022.11.30

エリザベス女王はどんな状況でもユーモアのセンスを失わない。たとえクロスボウを持った19歳のイギリス人が暗殺目的で侵入してこようと。イギリスの作家ジャイルズ・ブランドレスによるエリザベス女王の伝記では、そんな女王の姿が描かれる。

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バッキンガム宮殿でのエリザベス女王。(ロンドン、2008年12月24日) photography: Getty Images

バッキンガム宮殿で常識だったのは、エリザベス女王がどんな状況にも揺るがないユーモア精神の持ち主であることだ。2021年のクリスマスの朝、王室メンバーがウィンザー城で伝統的なクリスマスの朝食を楽しんでいる間、城の敷地内にクロスボウで武装した男が侵入した。イギリス人作家のジャイルズ・ブランドレスによるエリザベス女王の新刊伝記でこの時の様子が語られている。スタッフの一人から侵入者の件を知らされたエリザベス女王は、「あらそう、それじゃクリスマスが台無しだわね」とあっさり返したそうだ。

作家のジャイルズ・ブランドレスは元保守党議員でウィンザー家とも親しい。彼の新刊タイトルは『エリザベス女王の親密なポートレート(原題:Elizabeth: An Intimate Portrait)』といい、冗談好きだった女王の姿が描かれる。74歳のイギリス人作家は「デイリー・メール」紙の取材に応じ、女王の「皮肉でドライでユーモラスなものの見方」に衝撃を受けたことを語っている。

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ウィンザーへの侵入者

クロスボウで武装したジャスワント・シン・チャイル(19)は2021年12月25日、エリザベス2世の居城であるウィンザー城の敷地に「女王を暗殺する」目的で侵入した。男は侵入直後の午前8時半頃、逮捕された。

イギリス南部のサウサンプトンに住むこの男は、すぐに精神科に収容され、厳重な警護下に置かれた。2022年8月17日には、西ロンドンの精神病院からビデオリンクを通じて裁判所に出廷し、「女王陛下にけがを負わせたりする」試みを罰する1842年制定の反逆法第2条で訴追された。今後7年の禁固刑または国外追放を受ける可能性が高い。反逆法での訴追は珍しく、最も有名な事件は1981年に遡る。マーカス・サージャントという男性がパレードに参加していたエリザベス女王に向けて空砲を5発撃ち、禁錮5年の有罪判決を受けた。

ウィンザー城やバッキンガム宮殿への侵入自体は実のところ、それほど珍しいことではない。誰もがあっと驚いた事件は1982年、30歳のマイケル・フェイガンが女王の寝室に侵入することに成功した件だった。女王は......ちょうど就寝中だった。

text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)

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