「片付いた家に暮らすことをあきらめた」こんまり、衝撃の告白。
Culture 2023.01.31
現在、3児の母となった38歳の日本人女性、こんまり(近藤麻理恵)は、よりリラックスした整理・整頓を行うようになったと、1月26日(木)のワシントンポスト紙がコラムで報じている。
クリエイティブ・アーツ・エミー賞2019に出席した近藤麻理恵。(2019年9月14日、ロサンゼルス)photography: Getty Images
新年、近藤麻理恵は決意を新たにした。タンスの中を空っぽにして整理することを勧めてきた日本の整理・自己啓発コンサルタントのこんまりは、一歩下がって、大掃除をリラックスしてするように勧めている。2022年末に英語圏向けの新メソッドを発表したばかりの30歳は、「ときめく瞬間」を軸にしながら、「リラックスできる時間」を大切にし、一部片付けを諦めたという。これは、先日行われたこんまりの記者会見に出席したワシントン・ポスト紙が1月26日(木)に報じたものである。
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片づけのプレッシャーから解放される
きっかけは子育てだ。38歳のこんまりは、第3子の誕生で生活が一変し、家の整理整頓を後回しにするようになったと語っている。「家は汚いけれど、(今の)時間の使い方は、今のライスステージの自分には合っている」と、記者会見で告白した。続けて、「いままでは片付けのプロとして、家の中を一生懸命に片付けていました。自分にとって良い意味で、ちょっとあきらめがつきましたね。いま、私にとって大切なのは、家で子どもと楽しく過ごすことなのだと気づかされたのです」。
世界的なベストセラー、Netflixの2つのドキュメンタリー番組シリーズ、そして汚部屋から抜け出すためのメソッドに関する何千ものヒントを提供してきたこんまりだが、完璧に片付いて整理された空間は現実的ではないことを認めている。
片づけのプロの彼女は、11月15日に出版された最新著書『Kurashi as Home: How to Organize Your Space and Achieve Your Ideal Life』(テン・スピードプレス刊)で、このテーマについて明かしている。その中で片付けの第一人者のこんまりは、仕事は好きだが、家の中を整理整頓しなければならないというプレッシャーを感じていることを語っている。「スケジュールを詰め込みすぎて、疲弊したり、不安に押しつぶされそうになったりすることもある」と綴っている。
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朝食にピアノ、シルクのパジャマ
新しいメソッドの宣伝ではあるものの、大胆な告白だ。近藤麻理恵がお気に入りの「くらし」という日本由来のコンセプトは、大きなプロジェクトよりも日々の小さなプロジェクトを優先し、「より深いレベルでの平和と喜び」をもたらす小さな行動や活動を大切にすることである。「実行可能な喜びの習慣を見つけ、それを10日間続け、毎日の習慣を変えることで気分が良くなるかどうかを確認する」と、このビジネスウーマンは提案し、そのメソッドについて125以上の例を著書で詳しく述べている。
近藤麻理恵は、毎晩ハンドバッグをきれいにする、シルク100%のパジャマを着る、朝食時にピアノを弾くなど、彼女自身が日常的に行っている工夫も明かしている。この教訓は、誰もが共感できるものだ。
もうひとつ、彼女が熱中しているのがスクラップブッキングだ。具体的には、本や雑誌から切り取ったきれいな絵や写真をバインダーに詰め、寝る前に眺めるというものである。こんまりは、アルバムごとに色分けすることを勧めている。そして、貼り付けた絵のうち、喜びを感じなくなったものがあれば、そのまま剥がすことを著者は提案している。つまり、整理だ。気に入らないものを見たら、それは自分に返ってくるのだ。
text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi