アンドルー王子の"未成年買春疑惑"を突き止めたジャーナリストの物語、映画化決定。
Culture 2023.02.14
1月7日にNetflixが発表したところによると、ジリアン・アンダーソンは王子にインタビューしたジャーナリストのエミリー・メイトリスを演じる。
Very excited to get started!@NetflixUK https://t.co/FJ7JOlw6u9
— Gillian Anderson (@GillianA) February 7, 2023
Netflixは、アンドルー王子の「衝撃的な」インタビューを映画化することを発表した。( 投稿日:2023年1月7日)Twitter@netflixuk
2019年8月、ある大富豪が刑務所の独房で亡くなった。彼の名はジェフリー・エプスタイン。未成年の少女たちを性的に虐待したとして逮捕された実業家だった。この事件はイギリスのアンドルー王子も巻きこみ、彼を失脚させることになった。ヴァージニア・ジュフリーという女性が、自分は17歳の時にジェフリー・エプスタインの仲介で知り合った王子にレイプされた、と訴訟を起こしたからだ。ベアトリス王女とユージェニー王女の父親であるアンドルー王子は2022年1月、王族としての地位を剥奪された。
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十年に一度のスクープ
2019年11月中旬、アンドルー王子はBBCの番組「ニュースナイト」に出演し、イメージ回復を図ろうとした。アンカーウーマンのエミリー・メイトリスと王子のやりとりは、イギリスのマスコミから「王子の大失態」と言われた通り、逆に反感をあおる結果となった。その反響の大きさに目をつけたNetflixが映画化を企画し、2023年1月7日、公式に発表した。
映画のタイトルは「Scoop」。「ザ・クラウン」の監督のひとり、フィリップ・マーティンが撮る。ドラマ「セックス・エデュケーション」のジリアン・アンダーソンがアンカーウーマンを演じ、ドラマ「カイレイドスコープ」のルーファス・シーウェルが王子役となる。ストーリーは「バッキンガム宮殿の鉄壁を突破して、女王の“お気に入りの息子”の転落を招くスクープを手に入れた女性たちの活躍」を描いたものになる。
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権力と特権
監督からは、「テンポ良く、没入感の高い映画的な」長編作品になるとのコメントがあった。また「観客はアンドルー王子のテレビ出演に至るまで、矢継ぎ早に起きる出来事のなかに引きずりこまれる。憶測と相矛盾する記憶が錯綜するなかで、答えを探す物語となる」そうだ。
監督はさらに「この作品は権力や特権、複数の異なる視点についての話であり、きらびやかな宮殿であれテレビの報道局であれ、何が真実なのか、人々がどう判断するのかについての話でもある」と述べた。それにしても2019年のインタビューで、アンドルー王子はどんな失態を重ねたのだろうか。王子は当時、性的虐待疑惑を全面的に否定する一方でジェフリー・エプスタインとの交友関係について語っていた。
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ナイトクラブでの一夜
王子はエプスタインのおかげで交友関係が広がったと語った。「彼を通じて、あるいは彼との交友がきっかけで出会った人たちは実際とても有益だった」そうだ。有罪となったジェフリー・エプスタインと交友関係を維持したことは反省する一方で、自分を訴えたヴァージニア・ジュフリーとは「会った覚えがない」と断言した。
そして彼女をレイプしたことも、ナイトクラブで一緒に踊ったこともないと言い、王子は汗をかいていたという彼女の証言を真っ向から否定、当時汗をかけない病気にかかっていたと主張した。ジェフリー・エプスタインの被害者女性たちには到底受け入れられる主張ではなかったが、王子は彼女たちに謝罪もしなかった。
text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)