エドワード王子の娘、レディ・ルイーズが爵位を継承できなかった理由とは?
Culture 2023.03.23
イギリスのエドワード王子とソフィー妃の子どものうち、父親のウェセックス伯爵位を最近継承したのは、姉のルイーズ・マウントバッテン=ウィンザーではなく、弟のジェームズ(15)だった。
エドワード王子の娘、レディ・ルイーズと母のソフィー妃。(アバディーン、2022年9月10日) photography: Getty Images
爵位は巡る。エリザベス女王の末子であるエドワード王子はウェセックス伯爵位をこれまで与えられていたが、2023年3月10日、59歳の誕生日に正式にエディンバラ公爵の爵位を与えられた。2021年6月に亡くなった父のフィリップ王配の称号を受け継いだ形となる。これに伴い、妻のソフィー妃は当然のことながらエディンバラ公爵夫人となった。しかしながら意外なことにそれまでのウェセックス伯爵位を引き継ぐのは長女のレディ・ルイーズ・マウントバッテン=ウィンザー(19歳)ではなく、4歳年下の弟のジェームズとなった。これは、女子より男子を優遇する古い継承ルールが適用されたためだ。
数年前までイギリスの王位継承ルールは、「1701年王位継承法」で定められた「男子優先の血族長子相続」の原則に基づいていた。つまり、国王に複数の相続人がいる場合、兄弟姉妹のなかで最初の男子が王位継承権一位となり、男子相続人がいない場合のみ、女子が継承することになっていた。その後、この古風で性差別的なルールは変更され、イギリス議会で法案が通過した2年後に「2013年王位継承法」が施行された。これにより厳格な血族長子相続制度が導入され、男女の区別がなくなった。つまり、ウィリアム皇太子の子どもであるシャーロット王女(7歳)は、弟のルイ王子(4歳)よりも王位継承順位が上ということになる。
しかし法改正前に生まれたエドワード王子の子供たちにこの法律は遡及適用されず、ウェセックス伯爵位は姉のルイーズではなく、2007年12月生まれのジェームズに行く。
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「秘密兵器」レディ・ルイーズ
2003年11月8日にイギリスのサリー州フリムリーで生まれたレディ・ルイーズは弟のジェームズに次ぐ王位継承順位15位だ。未熟児だったために内斜視を患っており、2006年と2013年に矯正治療を受けた。そうしたこともあって国際失明予防協会のアンバサダーとして、視覚障害者の支援に力を注いでいる。この国王チャールズ3世の姪は非常に聡明と評判で、かつてのウィリアム王子やキャサリン妃も通ったスコットランドのセント・アンドリュース大学にて2022年9月から英語、歴史、政治、演劇を学んでいる。イギリスのメディアによると、ルイーズに寄せられた期待は大きく、「君主制の秘密兵器」とまで言われている。
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)