ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホールが若い頃にデザインしたプリントファブリックを集めたエキシビション「Andy Warhal:The Textiles」がロンドンのファッション&テキスタイル・ミュージアムで開催中だ。
© 2022 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. Licensed by DACS, London
飴がけのリンゴのデザインは、60年近く前のものながら今見ても心踊る可愛らしさ。
ウォーホールは1960年代初期にアーティストに転向するまでは、NYで商業デザイナー&イラストレーターとして活躍していた。当時手がけたテキスタイルデザインはイラストなどとは違い、エージェントを通して匿名で繊維会社に売られていたため、長い間あまり知られることがなかった。
© 2022 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. Licensed by DACS, London
アイスクリーム各種もモチーフに。ウォーホールは甘いものに目がないことでも有名だった。
© 2022 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. Licensed by DACS, London
サーカスのピエロが楽しげに布上に舞う。
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今回キューレターを務めたジェフ・ライナーとリチャード・チャンバーラインはリサーチに10年以上を費やしたという。「長年に渡る研究の間に巡り会えた幸運と発見によって、このエキシビションを開催できたことを心から嬉しく思います」と語る。
この頃のアメリカではドレスやスカートなどを仕立てるための布が数多く売られ、戦後の経済的繁栄を象徴するかのようにカラフルで具体的な品物を描いたプリントが人気を集めたとか。ウォーホールのデザインも例外ではなく、展示される45 点あまりのテキスタイルもアイスクリームや旅行鞄とタグ、色とりどりのボタンなど、生活周辺の品々をキュートに描いて目を引く。
© 2022 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. Licensed by DACS, London
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暮らしの中の物たちを、魅力いっぱいに描くのはウォーホールの得意とするところ。
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© 2022 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. Licensed by DACS, London
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シンプルな服だからこそ、テキスタイルデザインが鍵となっている。
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かすれたような線や大胆な色使いなど、その趣向は後年彼が手がけたアート作品にも通じているのも興味深い。
Fashion and Textile Museum
Andy Warhal: The Textiles
3月31日から9月10日まで。
https://fashiontextilemuseum.org/exhibitions/andy-warhol-the-textiles
text:Miyuki Sakamoto
在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。