ベン・アタル、母シャルロットとの複雑な関係明かす。
Culture 2023.04.18
女優で歌手のシャルロット・ゲンズブールの長男ベン・アタルが、自身の思春期について珍しく告白し、母親との関係に苦しみ、常に見捨てられる恐怖を抱えていたことを明かした。
シャルロット・ゲンズブールとイヴァン・アタルには、息子のベンのほかに、アリスとジョーというふたりの娘もいる。(パリ、2020年9月24日)photography: Getty Images
これまであまり表に出てこなかったゲンズブール一家のメンバーであるベン・アタルが、いつもの控えめな態度を破った。今月配信されたポッドキャスト番組「Tant Qu'il y Aura des Hommes!」に出演したシャルロット・ゲンズブールとイヴァン・アタルの長男ベン・アタルは、家族関係について率直に語ったのだ。
番組の中で、イヴァンは自分と母親との関係について触れ、母親を「誰よりも愛している」としながら、以前はもっとその関係が難しかったと振り返った。「僕たちは常に非常に複雑な関係だった。それについて話す時には声が震えてしまう」と述べた。
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ベン・アタルは25歳になったいまでも、幼少期の傷がまだ癒えていないようだ。その原因のひとつに、母親のシャルロット・ゲンズブールと父親のイヴァン・アタルが、シャルロットの姉のケイト・バリーの死後、ニューヨークに引っ越したことがある。
2013年、シャルロットの姉がアパートから転落死した後、新しいスタートが必要だった。しかし、その引越しは、ベン・アタルにとっては望ましいものではなかった。わずか15歳の時、ベンはイングランドのバースに移り住むことを決めた。そして、彼はそこで料理人として働き始めた。ベンは「少し不義理な別れ方だった」と認めている。その別離は、母と息子の関係に亀裂を走らせた。
「何が起因しているのかはよくわからないけれど、多分、母が何年もそばにいなかったこと、そして見捨てられるという複合的な感情があったのかもしれない」とベンは振り返る。さらに、学校での問題も加わった。「当時は成績が悪かった」と彼は言い、「“学校でのつまずき”が“家族の問題”と重なった」と認めた。
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「優しさの道に導いてくれた」
しかし、思春期以降、ベン・アタルに多くの変化が起きはじめた。妹のアリスと和解した後、アリスがパリに戻ってくると、彼女はベンの「最高の友人のひとり」になった。そして、いまは、母親とより健全な関係を築こうとしているという。
「少しずつ共感が芽生え、多くのことを話せるようになり、距離が近づいている」と彼は喜びを感じている。そして、彼のパートナーであり、もうすぐ妻となるジョルダーヌ・クランテールと一緒にいることも、彼に平穏をもたらしている。「婚約者が私を優しさの道に導いてくれた」と、愛を感じながら語っている。
去年からInstagramの投稿で愛を語り合っているふたりの結婚は、秒読みなのかもしれない。セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの孫であるベンが投稿した写真には、「僕の人生の愛。母と婚約者」という言葉が添えられ、シャルロット・ゲンズブールと彼女の(将来の)義理の娘が仲睦まじい様子で写っている。
ベンの両親は30年間の関係にもかかわらず、これまで結婚はしていない。母のシャルロットは、「(結婚には)迷信があり、リスキーだと思う」と考えている。一方、息子のベンは、自分が進むべき道に従うつもりのようだ。
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インスタグラムで、愛あふれる様子をみせるベン・アタルと婚約者のジョルダーヌ・クランテール
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ベンが「僕の人生の愛。母と婚約者」と語る、シャルロット・ゲンズブール(右)とジョルダーヌ・クランテール。
text: Louise Lucas (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi